豪雨・津波防災支援システムの運用開始 福島県浪江町に進出の会沢高圧コンクリート

福島RDMセンター近くの広場で行われたドローンのデモ飛行

 大手総合コンクリートメーカー「会沢高圧コンクリート」(本社・北海道苫小牧市)は11日、福島県浪江町と連携して開発を進めていた豪雨・津波防災支援システムの運用を始めた。津波警報が発令された際、大型ドローンが海岸の映像をリアルタイムでスマートフォンに映し出す。最長6時間の配信が可能。災害状況を迅速に伝え、被害防止に役立てる。既に町内にドローンを配備した。同社は全国にもシステムを広げ、災害への備えを強化したい考えだ。

 震度4以上の地震が観測されると、震災遺構「請戸小」校庭に整備された格納庫からドローンが発進し、沿岸部の映像を配信し続ける仕組み。専用アプリを通して映像が届く。ドローンは1時間に300ミリの雨の中でも飛行可能。1000㏄エンジンを搭載し、最長で6時間飛び続ける。

 アプリは豪雨被害にも対応する。人工知能(AI)を備え、衛星データなどを基に発災3日後までの河川氾濫を予測する。浸水の危険性がある場所の情報を提供し、早期の避難を促す。

 システムの名称は「ザ・ガーディアン」。アプリはスマホのアンドロイド端末で利用できる。今後、iPhoneにも対応する。

 11日、町内にある次世代研究開発型生産拠点「福島RDMセンター」で披露され、近くの広場でドローンのデモ飛行も行われた。

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