パンを通して見る「物価高」の現実:2024年の意識調査と都道府県別「食パン代」ランキング

地方別では「近畿地方」が9943円でトップ:気になる消費者物価指数の上昇率も確認

2024年3月22日に公開された、総務省「2020年基準消費者物価指数 2024年(令和6年)2月分」によると、東京都区部の2023年CPI(総合)は前年比3.2%でした。

1年間で3%も物価が上がっており、それだけ現金の価値が下がっていることになります。

まさに絵に描いたような「物価高」の状況下で、ちょっとしたランチなどへの支出も躊躇する人は少なくありません。筆者の周りでは、いつも買っていたもののグレードを下げる家庭も少なくないようです。

それでは、我々の生活に身近なパンではどうでしょうか。

今回は、2024年4月8日に公開された「パンの購入に関する意識・実態調査」の結果を見ていきましょう。

記事の後半では、総務省の家計調査をもとに作成した都道府県別「食パン代ランキング」や最新の消費者物価指数の推移をご紹介します。

※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。

パン購入の頻度や「ゴールデンタイム」は?【意識調査の結果】

株式会社デジタルレシピは2024年4月、パンに関するインターネット調査を実施。

全国の20代~60代男女1000名を対象に調査を行い、回答者数は675件でした。

調査概要は下記のとおりです。

  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:全国の20代~60代男女 1000名
  • アンケート母数:675件
  • 実施日:2024年3月30日~2024年4月2日
  • リリース公開日:2024年4月8日

【頻度】回答者の約6割が「週1回パンを購入」お得にまとめ買いをする人も

【頻度】1000名が回答!パンを購入する頻度は?

「どのくらいの頻度でパンを購入しますか?」という質問をしたところ、最も多い回答は「週に1回」で61.1%でした。

「1日に1回」という回答は21.7%で、約8割の人がパンを週に1回以上購入する傾向にあるとわかります。

また、体験談として以下のような声も寄せられています。

「パン派でたくさん食べたいので、パン屋のポイントデーに購入する」

「スーパー併設のパンコーナーを利用。スーパーの会員限定セールの日に買うことが多い」

やはり、お得に買いたいという思いは多くの方が抱いているようです。

【時刻】パン購入のゴールデンタイムは「13時~15時」

【時刻】あなたがパンをよく購入する時間帯は?

同調査からパンの購入時間帯について見ていきます。

「あなたがよくパンを購入する時間帯は?」という質問をしたところ、最も多い回答は27.3%で「13~15時」でした。パンの購入時間としてはお昼過ぎの時間がゴールデンタイムのようです。

20%以上の項目には「16~18時」(21.4%)、「10時~12時」(20.9%)がランクイン。この結果を見ると、パンはランチや間食に購入する人がいるのかもしれません。

また、朝食のイメージもあるパンだからこそ、次の日以降の早い時間にも楽しめるお昼すぎに購入されている可能性もあるでしょう。

次の章からは、都道府県別「食パン代ランキング」や2024年3月の消費者物価指数の中旬速報値をみていきましょう。

【都道府県別】パン好きはどこ? 「食パン代ランキング」

米を主食とする日本人にとっても、食卓の主役のひとつ。スーパーに行けば、高確率でパンを買う、という人も珍しくないでしょう。

パンにはさまざまな種類がありますが、特に「食パン」はトーストやサンドイッチなど、日常的なパン。1年分の食パンに対する支出が最も多いのは、どの都道府県なのでしょうか。

今回は総務省が実施している家計調査から、県庁所在地をもとにした都道府県別ランキング結果を紹介します。

【都道府県別】2023年:1世帯当たり年間「食パン代」ランキング上位

トップ10のなかに近畿6府県のうち、和歌山県・兵庫県・奈良県・京都府・大阪府がランクインしていることから、近畿地方ではパンがよく食べられているのが分かります。

ランキングの続きもみていきましょう。

【都道府県別】2023年:1世帯当たり年間「食パン代」ランキング下位

また、地方別に集計した結果では「近畿地方」が9943円でトップ。もしかしたら、近畿ではパンを食べる文化が根付いているのかもしれません。

2024年はどうなる?消費者物価指数の上昇率

エネルギー価格の高騰や円安による輸入コストの増加などにより、日本国内の物価は上昇傾向にあります。2024年4月は、食品だけで2800品目が値上げされるようです。

2024年3月29日、総務省が公表した情報によると2024年3月分の消費者物価指数の総合指数(東京都区部)は、2020年を100として107.1をマーク。前年同月比で2.6%の上昇です。

食料のなかでもパンを含む「穀類」は、前年同月比で7.2%も上昇しています。

以前の感覚で買い物すると想像以上の出費になるケースもあるため、一度家計を見直した方が良いかもしれませんね。

パンに泣かされないためにも、自身の収支を見直して

パン屋さん巡りや食べ歩きを趣味にしていたり、日頃からパン派を自覚したりして馴染み深く思っている人にとっては、ギャップがあったかもしれませんね。

パンだけでなく、趣味や楽しみに対する出費の額が気になっている人は、日常生活を送る中で別の固定費や出費のボリュームを押さえられるように意識を変えていくのもよいでしょう。

もちろん、収入・支出は未確定かつ流動的なもの。本記事で確認した平均データを参考にしながら収支を見直してみてはいかがでしょうか。

参考資料

  • 株式会社デジタルレシピ「「パンの購入」に関する意識・実態調査」(PRTIMES)
  • 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2023年(令和5年)1世帯当たり年間の品目別支出金額」
  • 総務省「2020年基準 消費者物価指数 2024年(令和6年)3月(中旬速報値)」

© 株式会社ナビゲータープラットフォーム