2023年公開の映画作品を対象にした「第33回日本映画批評家大賞」の各賞受賞作と受賞者が12日までに決まった。津軽塗をテーマに青森県弘前市で撮影された「バカ塗りの娘」（鶴岡慧子監督）で、主人公一家の隣人「吉田のばっちゃ」役を演じた木野花さん＝青森市出身＝がゴールデン・グローリー賞（水野晴郎賞）を、津軽塗り職人で主人公の父親役を演じた小林薫さんがダイヤモンド賞（淀川長治賞）を受賞した。
6人の選考委員が厳正に審査。木野さんに対し「近所のばっちゃらしく、一家に踏み込みすぎず思いやる距離感が見事」と評価した。小林さんについては「職人の気難しさ、不器用な優しさをまといながらヒロインを包み込み、スクリーンに滑らかに溶け込む唯一無二の存在感」などと賛辞を贈った。
同大賞は1991年に映画評論家の故水野晴郎氏が発起人となり、故淀川長治氏や故小森和子氏ら、第一線で活躍していた映画批評家たちが提唱し誕生した。
授賞式は5月22日に東京国際フォーラムで行われる。他の主な賞の受賞者、受賞作品は次の通り。
▽作品賞＝「ほかげ」（塚本晋也監督）
▽監督賞＝荻上直子監督「波紋」
▽主演男優賞＝東出昌大「Winny」
▽主演女優賞＝筒井真理子「波紋」
▽助演男優賞＝磯村勇斗「月」
▽助演女優賞＝新垣結衣「正欲」
▽アニメーション作品賞＝映画「窓ぎわのトットちゃん」（八鍬新之介監督）
