コロナ前のにぎわい期待・さくらまつり露店

三忠食堂の看板メニューの中華そばを提供する従業員=12日午後、弘前公園
笑顔で商品を手渡す澤田さん(右)=12日午後、弘前公園

 12日に開幕した弘前さくらまつり。今年は早咲きに合わせて会期を前倒しするとともに、弘前公園内の飲食制限も撤廃された。長年出店してきた露店は新型コロナ流行前のにぎわいを期待。新規参入した店も「まつりを盛り上げたい」と意気込む。

 2020年のさくらまつりはコロナ禍で中止、21年からは飲食や食べ歩きなどの制限があった。約100年にわたり、代々まつりに出店してきた弘前市の三忠食堂の店主・黒沼三千男さん(75)は、制限があった年の売り上げは以前の半分以下だったとし、「前のような売り上げに戻れば。今年はわくわくしている」と話した。

 昨年までは席を間引き、20~30席に抑えていたが今年は100席に。従業員の数もそろえたとし、「コロナ前と変わらない準備をしている。あとはお客さんがたくさん来るのを待つだけ」と笑顔を見せた。

 今年新規参入した5店のうち、北インド由来のチャパティロールを販売している「ムスカーン」は東内門付近に店を出した。店主の澤田富士子さん(57)は「まつりに出店するのが小さい頃からの夢だった。来てよかったと思ってもらえるように、これからさらにまつりを盛り上げていきたい」と意欲を見せた。

 新型コロナの5類移行後、インバウンド(訪日客)は戻りつつある。今年から韓国おでんの屋台を出店している佐藤千夏(ちか)さん(31)は「既に外国人の方も何組か訪れた。地元の方はもちろん、国内外の多くの方にまつりを楽しんでほしい」と期待を寄せた。

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