昨年末の火災で運休していた鹿児島県十島村の村営船「フェリーとしま2」が12日、運航を再開した。午後11時に鹿児島港(鹿児島市)を出発。村の有人7島をつなぐ生活航路が105日ぶりに復活した。
再開便の貨物スペースは、運休中に輸送できなかった物資や車両でほぼ満杯。仕事や旅行で島を訪ねる人など乗客98人が次々と乗り込んだ。通院で鹿児島市を訪れていた中之島の民宿業日高正信さん(77)は「自分の家のように慣れ親しんだ船。再開は本当にうれしい」と笑顔で乗船した。
肥後正司村長は「長期にわたり住民に不便をかけた。代替船に協力してくれた関係者に感謝している。安全管理を徹底し、一日も早く日常を取り戻せるようにする」と話した。
火災は昨年12月29日、悪石島沖を航行中に発生。としま2の運休中は三島村営船「フェリーみしま」や民間船が代替運航した。としま2は鹿児島港-名瀬港(奄美市)を3日間で往復し、7島を回る。