低圧室で競輪選手が意識不明の重体 宇都宮の施設で2人搬送 トレーニング中か、宇都宮中央署が経緯調べる

低圧室内で2人が倒れていたトレーニング施設=12日午後、宇都宮市田野町

 12日午前10時55分ごろ、宇都宮市田野町のトレーニング施設で、低圧室を利用していた鹿沼市、競輪選手の男性(57)から「急病です」と119番があった。消防が駆け付け、低圧室内で意識を失って倒れている男性と同市、施設関係者の女性(53)を発見し、救急搬送した。男性は意識不明の重体。女性は意識を取り戻したという。内部は低圧で酸素が薄い状態だったとみられ、宇都宮中央署は2人が意識を失った経緯などを調べている。

 同署などによると、低圧室は長さ約6メートル、高さ約2.2メートルで円柱を横に倒したような形。椅子に座った状態で利用し、十数人が入れる。気圧を低い状態にすることで、高地トレーニングと同様の環境を再現できるという。

 低圧室内で操作する仕組みで、女性が動かしていたという。施設内は男性と女性だけだった。

 男性が「女性の具合が悪そうだ」と119番。消防が駆け付け、隊員が低圧室の窓から2人が倒れているのを見つけ、外側から扉を開けた。内側からも開けられる構造という。男性は通報後に意識を失ったとみられる。

 競輪選手の男性は全6階級のうち上から5番目のA級2班に所属。今月7~9日の3日間に宇都宮競輪場でのレースに出場していた。

 施設は宇都宮市大谷町の大谷資料館から西に約1キロの住宅街の一角。同署は女性の夫の施設経営者らから事情を聴き、2人が意識を失った経緯や低圧室の安全管理、操作に問題がなかったかどうか調べる。

© 株式会社下野新聞社