桜の満開 予想よりも遅く「見頃はこれから」 県内各地で対応追われる、ライトアップ期間変更も

見頃を迎えた新川の桜並木。10日までライトアップされる=9日午後、宇都宮市

 今年は栃木県内で桜の開花や満開が当初の予想より遅れ、各地のイベント主催者はライトアップの期間を後ろにずらすなど対応している。満開を前にライトアップが終了したイベントも。関係者は桜に翻弄(ほんろう)されつつも「見頃はまだこれから。来場者には満開の桜景色を楽しんでほしい」と願った。

 宇都宮地方気象台によると、今年は3月31日に宇都宮市で開花。平年より早かった昨年に比べ11日遅かった。2月中旬から気温が低い日が続いたことや降雨により開花が遅れたという。

 日光市の「鬼怒川温泉夜桜ライトアップ~鬼怒川万華郷」は開花予想を受け、昨年より早めの3月29日に始まったが、最終日の今月7日も満開にはならず。14日まで点灯期間を延長した。同市観光協会の大嶌健矢(おおしまけんや)さん(26)は「飲食ブースの出店は終了したが、桜の見頃はまだまだこれから」と来場を呼びかける。

 茂木町も同町小井戸の城山公園などのライトアップ期間をずらし、当初の7日までから14日までに変更した。同町商工観光課は「発光ダイオード(LED)を使用しており電気代への影響はない。花見を楽しんでもらえれば」

 宇都宮市の名所の「新川さくら祭り」は当初、3月23日~4月7日までだった期間を3月28日~4月10日にずらした。新川桜保存会は昨年に倣いぼんぼりなどの準備を早めに進めたが桜が咲かず、露店主からは「商売にならない」との相談もあった。埴田義矩(はにたよしのり)会長(78)は「計画の変更は大変だが、ことしも良かったと思ってもらえれば何よりです」と話した。

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