金沢競馬で禁止薬物 3日レースの1着馬失格

  ●払い戻し変更なし

 石川県競馬事業局は12日、金沢競馬場で3日に行われたレースの1着馬から、禁止薬物の向精神薬「エチゾラム」が検出されたと発表した。同馬を失格処分とし、着順を変更するが、これに伴う払い戻しの変更はない。競馬法違反の疑いがあるとして金沢東署に届け出た。

 禁止薬物が検出されたのは、3日の第7レース(C1級2組・1500メートル)で1着となったサムワンライクユー(4歳牡・金田一昌厩舎(きゅうしゃ))。レース後に採取した検体を競走馬理化学研究所(宇都宮市)で検査したところ陽性反応が出た。

 エチゾラムは主に興奮を抑制するために用いられ、県地方競馬実施条例施行規則で使用が禁じられている。日本中央競馬会(JRA)も4月から競走馬の禁止薬物を追加する取り決めをしており、エチゾラムはそのうちの一種だという。

 該当レースは2着以降を繰り上げ、騎手らへの賞金返還を求める。県競馬事業局はレースの公正保持のため、金田厩舎の競走馬約50頭について、検査で禁止薬物の陰性が確認されるまで出走除外とする。

 サムワンライクユーはJRAでデビューし、昨年12月に金沢に移籍。3日のレースを含め1着2回、2着1回の成績を残していた。

 金沢競馬の競走馬から禁止薬物が検出されるのは1997年9月以来。県競馬事業局は「再発防止に万全を尽くす。ご迷惑をおかけしたことを深くおわびする」としている。

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