賀島兵介の遺徳しのぶ 対馬藩田代領で善政

頌徳碑の前で神事を行い賀島兵介の遺徳をしのぶ参列者=鳥栖市の太田山安生寺

 江戸時代に対馬藩田代領(現在の基山町と鳥栖市の一部)で副代官として善政を敷いた賀島兵介(かしまひょうすけ)(1645~97年)をしのぶ「賀島祭」が9日、鳥栖市田代本町の太田山安生寺(中原順導住職)であった。基山町と鳥栖市、長崎県対馬市の行政関係者ら約30人が出席し、偉功をたたえた。

 賀島兵介は江戸前期の1675年から約10年間、副代官を務め、困窮する領民に米を分け与えたり、洪水から領地を守るために堤防や河川の工事を行ったりした。死後の1794年に領民の代表が同寺境内に頌徳(しょうとく)碑を建てた。

 賀島祭は毎年、命日の4月9日に実施している。この日は鳥栖市の向門慶人市長、対馬市の比田勝尚喜市長らが参拝した。基山町の松田一也町長は「地域の安心安全に務め、賀島公の思いをしっかりと引き継いでいきたい」と述べた。(鳥栖支社・井手一希)

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