コウノトリ5年連続ふ化か 小山の渡良瀬遊水地 餌を吐き出す親鳥確認

餌を吐き出す行動が観察された「ひかる」=12日午前、小山市下生井(小山市提供)

 栃木県の小山市は12日、同市下生井の渡良瀬遊水地で営巣している国の特別天然記念物コウノトリの卵から、少なくとも1羽のひながふ化したと推定されると発表した。同所では5年連続。

 親鳥のペアは昨年と同じで、8歳の雄「ひかる」と5歳の雌「レイ」。市によると、11日に地元の観察者らの報告などで親鳥が餌を吐き出す行為を確認。兵庫県立コウノトリの郷公園に映像を送り、12日にふ化推定と判断された。産卵推定日は3月10日。

 浅野正富(あさのまさとみ)市長は「5年連続のひな誕生をうれしく思う。今年は栃木市でも産卵確定が発表され、遊水地内2カ所での誕生に期待を寄せている」。渡良瀬遊水地コウノトリ・トキ定着推進協議会の青木章彦(あおきあきひこ)会長は「今年もふ化した喜びを皆さんと分かち合いたい。巣立ちの時まで遠くから温かく見守ってあげてください」とコメントした。

 市などは遊水地周辺の小学生に考えてもらったひなの愛称候補を「わたらせ自然ミュージアム」のホームページに掲載。5月10日まで一般市民らによる決選投票を行っている。

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