貸出金利「急上昇ない」 プロクレア副社長インタビュー 中長期的には検討

マイナス金利政策解除後の見通しを語る石川副社長=12日午後、青森市の青銀本店

 プロクレアホールディングス(HD)の石川啓太郎副社長(青森銀行頭取)が12日、青森市の青銀本店で東奥日報などのインタビューに応じ、日銀のマイナス金利政策解除後の金利見通しを語った。緩和的な金融環境を維持するという日銀の方針を受け「貸出金利を急激に上げることはない」との認識を示した。一方、預金金利の引き上げに伴い、中長期的には貸出金利の引き上げも検討する必要があるとした。

 HD子会社の青銀とみちのく銀行は、日銀が3月19日に政策変更したのを受けて今月8日に預金金利を17年ぶりに引き上げた。銀行にとって預金金利の上昇はコスト増になるが、収入増につながる貸出金利の変更はしていない。

 貸出金利について、石川副社長は「中長期的には適切な金利の設定をしていく必要がある」と説明。引き上げ判断のタイミングについては「HD内で確固たる条件が議論されているわけではない」としつつ、「米国との金利差や為替などによって日銀の追加利上げが想定より急激にあった場合などは、われわれも考えざるを得ない」と話した。

 今後、貸出金利を引き上げる場合は「お客さまの理解を得るのが大前提だ。お客さまへのより丁寧な説明に、われわれも力を入れて取り組まなければならない」と強調した。

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