芸妓の道に挑む 佐くさん(福島県白河市出身)東京の向島で活動 将来は地元で芸を

芸妓としての道を歩み始めた佐くさん

 お客さまを楽しませられる芸妓になりたい―。福島県白河市出身で、東京都の花街・向島の置屋「咲のや」の新人佐くさん(20)は、芸妓としての新たな道のりを歩み始めた。

 祖母の影響もあり、物心が付いた頃から着物などの日本文化に親しんできた。動画投稿サイトやSNSなどを見て、優雅な姿に憧れを抱いたという。「自分もいつか華やかな舞台に立ちたい」と決心した。

 2022(令和4)年に白河実高を卒業。卒業後は一度地元で就職した。それでも夢を諦めきれなかったという。自らの思いを思い切って打ち明けると、両親は「自分の好きな道を歩みなさい」と背中を押してくれた。向島見番に連絡し、面接を経て芸妓への一歩を踏み出した。

 現在は、一人前になる前の半玉(はんぎょく)だ。平日ほぼ毎日、踊りと鳴り物の稽古に励み、夜はお座敷に出ている。やりがいを感じる一方で、技や振る舞いを磨きたいもどかしさも感じている。

 長い歴史を誇る伝統芸能だが、白河市ではほとんど見られなくなった。将来は地元で芸を披露するのが目標だ。「地元から声がかかる芸妓になりたい」。並々ならぬ覚悟で芸妓道に挑む。

(県南版)

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