「年を取っても自分らしく」 80歳が初舞台 21日、宇都宮で「現代版二人小町」公演

第4回公演に臨む団員たち。後列左から2人目が松本さん、3人目が鵜飼さん

 市内で活動するシニア劇団「劇団スターライト」の第4回公演が21日、本丸町のアトリエほんまるで開かれる。これまでの公演で最高齢となる80歳が出演し、初舞台を踏む。

 同劇団は2019年11月にアトリエほんまるを拠点に旗揚げした。50代以上を対象に、演劇の経験は問わず団員を募集し、年1回上演している。

 今回の演目は「現代版二人小町」。芥川龍之介(あくたがわりゅうのすけ)の作品「二人小町」を基に、同劇団主宰の鵜飼雅子(うかいまさこ)さん(54)がアレンジした。

 演出も手がける鵜飼さんは「芥川作品では年を取ると世の中からいらない存在となっていくが、『現代版』には年を取っても自分らしく楽しく生きてほしいという願いを込めた」と話す。

 出演は市内在住の50~80代の男女7人。普段は月1回の練習だが、公演が近づいてからは頻繁に集まり本番に備えている。

 このうち80歳で初めて舞台に立つのは鶴田町、松本朝子(まつもとあさこ)さん。劇団に参加したのは、昨年の公演を観賞したことがきっかけだった。「演劇をやってみたい」という子どものころからの夢をかなえた。

 松本さんは「初心者なので迷いましたが、鵜飼さんに相談して『今やらなくちゃ』と決意しました。舞台を通して、幾つになっても始められるということを皆さんに伝えたいです」と話している。

 上演は午前11時からと午後2時半からの2回。劇中の音楽は市内を中心に活動するオカリナ奏者のツルタハルさんが担当し、生演奏する。観覧料千円。予約制。(問)鵜飼さん090.3680.8382。

「現代版二人小町」のチラシ

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