水族館に勤務しながらアーティスト活動 「ウォーターエフェクトクリエイター」とは? “水”をテーマにした作品の数々…込められた思いは

島根県浜田市に、水族館で勤務する傍らアーティスト活動をしている男性がいます。人呼んで「ウォーターエフェクトクリエイター」、作品のテーマはもちろん「水」です。

美しい波打ち際に、宇宙のブラックホール。そしてドラマのワンシーンのようなカーオブジェ。

これらの作品を手掛けているのが、梶明広さん、63歳。島根県西部にあるしまね海洋館アクアスで勤務する傍ら、水をテーマにした作品作りを行っています。

人呼んで、「ウォーターエフェクトクリエイター」。

ウォーターエフェクトクリエイター 梶明広さん
「地球っていうのは水がいっぱいある。そういうものが環境とかにも関わってくるので、大事にしてほしいなぁと思って作品を作っています。
毎日お魚とかね、そういう水にまつわる生き物を見てるので、そういうとこから発想が出てきます。」

梶さんの作品に使われている素材は「エポキシレジン」という液体で、水の表現に適しているとのこと。

木製のキャンバスに透明なレジンと白い染料を重ねて流し、ドライヤーの熱風をあてると…みるみるうちに波の流れと飛沫があらわれてきます。

一見簡単そうに見えますが、ドライヤーの温度と風圧の加減を調節するのは至難の業。14時間から24時間かけてひとつの波を固め、さらにその上に波を重ねていくため、完成するまでには1週間から10日程度かかるといいます。

ウォーターエフェクトクリエイター 梶明広さん
「我々は海の中にはなかなか入っていけないので、いちばんその境目というか境界線、そういうところから外へつづいてゆくというようなところで、波打ち際から始めています。」

去年秋には東京でアートグループと作品展を開いた梶さん。高度な技術とアート性が認められ、現在、島根県総合美術展のデザイン部門審査員も務めています。

ウォーターエフェクトクリエイター 梶明広さん
「こういうのをもっともっとたくさん作っていって、いろんな人に見てもらって、海とか自然環境に興味を持って、好きになってもらえたらなと思います。」

梶さんの表現する「水」の世界、今後ますます広がっていきそうです。

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