サン・ラ・アーケストラ、88年の新宿ピットイン公演がCDとLPで発売 CDは初出音源含む全曲収録盤

自らを土星人だと言い続けた鬼才ジャズマン、サン・ラ率いるアーケストラが、1988年8月8日、東京・新宿ピットインで行なった公演の録音がマスター・テープから最新マスタリングでCDとLPでリリースされることが決定。CDは5月22日(水)に、LPは7月3日(水)に発売となります。あわせて、YouTubeにてトレーラーが公開されました。

80年代、サン・ラ・アーケストラは世界ツアーを活発に行ない、1988年春からの全米、全欧ツアーを終え、同年7月30日に、サン・ラ74歳にして初来日。日本のジャズ・フェスティヴァル〈ライヴ・アンダー・ザ・スカイ〉で神奈川読売ランド、富山、福岡、大阪万博記念公園を回り、途中渋谷クアトロでの連日公演を挟み、8月8日に、ツアー最終となる新宿ピットインでのライヴを開催しました。

この日本公演は、サン・ラ(p,syn,vo)をはじめ、マイケル・レイ(tp,vo)、アーメッド・アブドゥーラ(tp)、タイロン・ヒル(tb)、マーシャル・アレン(as,fl,perc)、ジョン・ギルモア(ts,cl,timbales,vo)、ダニー・レイ・トンプソン(bs,perc)、Eloe Omoe[Leroy Taylor](as,bass clarinet,contra-alto clarinet,perc)、ジューン・タイソン(vn,vo)、ブルース・エドワーズ(g)、Rollo Radford(b)、サマライ・セレスティアル(エリック・ウォーカー)(ds)、Earl “Buster” Smith(ds)、Judith Holten(dance)という布陣で、驚くほどサービス精神にあふれた演奏に終始した、スタンダード曲含むビッグバンド・ジャズを披露。スウィンギーな「Discipline 27-II」から、コール&レスポンスも交えて歌われる「I'll Wait For You」と「Angel Race」など、心躍る演奏を聴かせました。

一方で、複雑なアレンジ、各プレイヤーの名人芸、テレパシーであるかのようなバンドの一体感が素晴らしく、“音の神話の科学者”たるサン・ラのサウンド・バイブレーションを通じミステリアスなスペース・ミュージックを魅せてくれた全盛期のような記念碑的ライヴででした。

なお、本作は1988年にCDとLPで発売されていますが、CDは初出音源含む全曲収録盤として世界初登場となります。

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