マダニが媒介 60代女性2人に発熱・おう吐、目まいの症状 ウイルス感染症、今年初確認 鹿児島県「草むらに注意を」

 鹿児島県は15日、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に、肝属郡と薩摩郡の60代女性が感染したと発表した。県内での感染確認は今年初めて。

 県感染症対策課によると、肝属郡の女性は発熱や嘔吐(おうと)、下痢の症状、薩摩郡の女性は目まいや食欲低下、発熱の症状を訴え、それぞれ11日に入院。12日に陽性を確認した。いずれもかまれた跡は確認できず、マダニにいつ、どこで接触したかは不明。

 マダニは山林や草むら、やぶに多く生息する。春から夏にかけて活動が活発になり、人や動物にかみついて吸血する。SFTSは、ウイルスを保有するマダニにかまれて6日~2週間程度で発症する。致死率は約30%。

 県内では2023年、9例の感染報告があった。県感染症対策課は「草むらなどに入る時は長袖や長ズボン、足を完全に覆う靴を着用し予防してほしい。かまれた場合は、無理に引き抜かずに医療機関で除去して」と呼びかけている。

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