てっとり早く効果がある【温活】とは?石原新菜先生がアドバイス

女性の約8割は冷え性だということを知っていますか? しかも年齢が上がるにつれて増える傾向があるとか。冷えとりカリスマ医師 石原新菜先生に、特に更年期の症状で悩んでいる女性に5回に分けてアドバイスをいただきました。第3回は体を効率的に動かす方法について。

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生理が終わった人ほど下半身の運動が重要に

「温活」というと「あたたかいものを食べる」「あたたかい服を着る」などをイメージするかもしれませんが、一番てっとり早くて効果があるのは運動です。筋肉は体温の4割を作ってくれる自家発電機のようなもの。筋肉が増えれば、おのずと体温も高くなるのです。

中でも鍛えたいのは下半身の筋肉。おしり、太もも、ふくらはぎなどには大きな筋肉があり、毛細血管も張りめぐらされていているので、この筋肉をよく動かせば血流アップに絶大な効果があります。

生理のある女性は、放っておいても下半身に血がめぐっていました。閉経を迎えたり、生理の回数が減ったりする更年期は、下半身のめぐりが急激に滞る時期でもあります。運動で血のめぐりを改善するのはマスト。できれば毎日、難しくても1日おきを目標に続けてください。

おすすめは、有酸素運動と筋トレの組み合わせです。ウオーキングやジョギングなどの有酸素運動は、酸素をたっぷり取り入れることで血流がよくなりますし、脂肪が燃焼してダイエット効果もあります。毎日が無理でも、1日おきには実践したいものです。

筋トレをするなら週3回

そして筋肉を増やすためにぜひやってほしいのが無酸素運動(筋トレ)です。下半身を中心に鍛えれば、効果的に筋肉を増やすことができると思います。下で紹介している運動のほかにも、もも上げ運動や腹筋運動もおすすめです。

筋トレのコツは「ちょっとつらい」と思うところまでがんばること。負荷をかければかけるほど、筋肉は発達します。「ジムで筋トレしている」という人は、最低でも週3回は通ってくださいね。週1回だと、せっかく増えた筋肉が元に戻ってしまいます。頻繁に通えない場合は、自宅での筋トレも習慣にするといいですよ。

血行を改善するには、ストレッチも効果あり。股関節を動かす、体を思いっきり伸ばすと、筋肉や関節がほぐれて体が温まるのです。内臓を正しい位置に整える効果もあり、臓器の働きも改善します。

有酸素運動で血流促進

【ウオーキング】
歩幅を広くとり、かかとから着地するように歩く。腕を振り、気持ちよく感じられるスピードで、最低でも20~30分は歩きたい。

【ジョギング】
ウオーキングよりもさらに歩幅を広くとり、おしゃべりができる程度のスピードで走る。「ウオーキングの延長」くらいの気軽さでOK。

【スイミング】
ひざや腰に負担の少ない全身運動。水圧がかかるので筋トレ効果も期待できる。下半身の筋肉を鍛えるのであれば平泳ぎが効果的。

【サイクリング】
足首やひざ、腰などへの負担が少ないのがメリット。重いギアにして走ることで、下半身の筋トレにもなる。20分以上は走りたい。

筋トレ(下半身の筋肉量アップ)

【ダイナミックフラミンゴ】
片足立ちを1分間キープする。これだけで53分のウオーキングに匹敵する負荷が得られる。

【スクワット】
①足は肩幅より広めに開き、両手は頭の後ろへ。背中をまっすぐに。
②息を吸いながら、椅子に腰かけるような角度でしゃがむ。ひざがつま先より前に出ないこと。
③息を吐きながら立ち上がる。これを10回繰り返す。1日に5セットが目標。

※この記事は「健康」2024年春号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。

監修者
医師 石原新菜

いしはら・にいな
イシハラクリニック副院長。漢方医学、自然療法、食事療法により、さまざまな病気の治療にあたっている。親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。日本内科学会会員。日本東洋医学会会員。著書に『やせる、不調が消える 読む 冷えとり』(主婦の友社)など多数。


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