都内の高層タワマンで「栃木フェア」 ファーマーズ・フォレストが県産品を展示販売 “ファン”獲得目指す

タワーマンションで実施されたテストマーケティング=1月下旬、東京都中央区

 地域商社のファーマーズ・フォレスト(宇都宮市新里町、松本謙(まつもとゆずる)社長)は、マンション管理組合の運営を支援する新都市生活研究所(東京都江東区、池崎健一郎(いけざきけんいちろう)社長)と協業し、都内などの高層タワーマンションで県産品を展示販売する「栃木フェア」の開催を始めた。今後は複数のタワマンを毎月巡回する計画で、都心部で“栃木ファン”の獲得を目指す。

 フェア開催のきっかけは、タワマン住民のコミュニティー不足が課題と感じた同研究所が、昨年7月に県東京事務所に本県産品の販売会の開催を持ちかけてきたことだった。

 ファーマーズ・フォレストは東京スカイツリータウンの商業施設内で県アンテナショップ「とちまるショップ」を運営している。県から話を聞き、住人の多いタワマンでの販売会は新規顧客の獲得につながるとして開催を決めた。

 8月上旬にはさいたま市南区のタワマンで、とちまるショップで扱う食品などを展示販売するフェアを初開催した。10月には同じマンションで、宇都宮市在住の料理研究家臼居芳美(うすいよしみ)氏による料理教室も開いた。200人以上が参加する中、県産生乳などを使った料理をPRした。

 同社によると、栃木フェアの開催を受け入れるタワマンは10カ所近くあるという。今後は毎月1、2回、県内の食品加工業者などが出店するフェアを開催する計画だ。同社は福島県や沖縄県などでも道の駅を運営しているため、両県のフェアも開催する。

 食育などの子ども向けイベントも予定しているほか、フェア開催県を巡る旅行ツアーも企画し、観光客の増加にもつなげる考え。

 同社企画・営業開発プロジェクト推進室の小野繁明(おのしげあき)室長は「とちまるショップとしても、攻めの姿勢に転じる良い機会」と話し、首都圏での本県の魅力向上に意欲を見せた。

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