青森・七戸町の死体遺棄 会社役員の容疑者が主導か 殺人容疑での立件視野

 青森県七戸町のトラック運転手の男性(54)が町内の私有地で遺体で見つかった事件で、逮捕された町内の4容疑者のうち、会社役員の容疑者の男(47)が犯行を主導したとみられることが15日、捜査関係者らへの取材で分かった。ほか3容疑者は「協力を持ちかけられた」旨の供述をしており、会社役員の容疑者とトラック運転手の男性のトラブルが事件の発端となったとみられる。県警が同容疑者らを死体遺棄容疑で逮捕し、捜査本部を立ち上げて1週間。殺人容疑での立件を視野に捜査を進めている。

 トラック運転手の男性は1月7日、自宅に貴重品を残したまま行方不明となった。4月1日、県警の捜索で、同町家ノ下の私有地の深さ約6メートルの土中からプラスチック容器に入れられた状態で、遺体で発見された。死後数カ月経過し腐敗していた。

 司法解剖の結果、多発肋骨(ろっこつ)骨折による出血性ショックや窒息が死因とみられる。この土地は同容疑者が業務で出入りしている土地だった。複数の捜査関係者によると、容器はドラム缶のような形状という。

 県警はトラック運転手の男性を暴行して連れ去ったとして3月10日、加害目的略取容疑で同容疑者、会社員の容疑者の男(45)、会社員の容疑者の男(52)、飲食店従業員の容疑者の女(38)の4容疑者を逮捕。さらに、トラック運転手の男性の遺体を2月上旬に遺棄したとして会社役員の容疑者、会社員の容疑者(45)を4月8日に再逮捕した。いずれも容疑を認めている。

 捜査関係者や周辺住民の話を総合すると、トラック運転手の男性は会社役員の容疑者が実質的に経営する同町の運送会社に勤めていたが数年前に辞めていた。

 青森地検は4容疑者を加害目的略取、監禁罪で3月31日に起訴。起訴内容によると、4人は共謀し1月7日夜、飲食店従業員の被告が宅配業者を装って自宅にいたトラック運転手の男性を外へ誘い出し、会社役員の被告が殴った上で馬乗りになり、会社員の被告(52)が両足をつかむ暴行を加えた。その後、トラック運転手の男性を会社員の被告(45)が運転する車の後部座席に押し込み、監禁したとされる。

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