アジアのパン、感激の味を 大滝さん夫妻、鶴岡の自宅にきょう17日開店

オープンに向けて準備を進める大滝俊之さん(左)と妻パンさん=鶴岡市北茅原町

 鶴岡市出身の大滝俊之さん(39)が、妻でミャンマー出身のパンさん(34)とともに17日、同市北茅原町の自宅1階にパン店「Kuu’n bakery(クゥン・ベーカリー)」をオープンさせる。ミャンマーの高級ホテルでパン職人として活躍した妻と二人三脚で切り盛りしていく。「新しい味を提案し、地元の人に驚きを届けたい」と意気込んでいる。

 主にパンさんが調理し、俊之さんがサポートや店のホームページ制作を担う。食パンやバゲットには、かめばかむほど豊かな風味が広がる天然酵母のルヴァン種を使用するなど生地にこだわる。ミャンマーのホテル仕込みでココナツミルクと数種類のスパイスが決め手のマッサマンカレーのパンや、台湾の屋台で人気のチャーシュー入りメロンパンなどを取りそろえる。

 野菜や果物は主に地元産にこだわり、定番の商品も季節に応じて具材を変えながら提供する計画だ。パリパリのクロワッサン生地を三角おにぎりの形にし、ツナマヨを具材にするなど新たな商品開発にも挑戦しながら、オンライン販売も検討している。

 鶴岡中央高出身の俊之さんは都内のIT系企業に勤務していた。パンさんはミャンマーのホテルで5年ほどパン職人として腕を磨いた経験を持つ。都内で出会い、2018年に結婚した。出店は、俊之さんがパンさんの作る食パンやデニッシュの味に感激したことがきっかけ。近所の高齢男性に配ると「今までパンは食べなかったが、これはおいしい」と好感触も得た。地元鶴岡でこの味を多くの人に知ってもらいたいと、昨年11月にUターンした。

 パンさんの名前がミャンマー語で月を意味することから、店名にはフィンランド語で月を表す「クゥン」を入れ、店内も月形の照明で装飾した。「『こんな味は知らなかった』と驚かれるようなパンを届けたい」と俊之さん。パンさんは「マッサマンカレーなど母国やアジア各国の味も知ってもらいたい」と話す。

 営業時間は午前9時~午後3時。問い合わせは080(3527)7127。同店インスタグラムからもパンの予約ができる。

「Kuu’n bakery」で販売する多彩なパン

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