2年連続「介護福祉士」全員合格 佐野松桜高卒業生28人 コロナ禍の実習制限乗り越え切磋琢磨

介護福祉士の国家試験に合格した佐野松桜高介護福祉科の今春の卒業生(同校提供)

 【佐野】佐野松桜高を今春(2023年度)卒業した介護福祉科の生徒28人全員が、介護福祉士の国家試験に合格した。同校としては22年度に続いての全員合格で、2年連続で全員が合格するのは19、20年度以来となった。新型コロナウイルス禍で校外実習が制限される逆境を克服し、1学年上の先輩たちに続く優秀な結果を残した。

 介護福祉士は社会福祉士や介護福祉法に基づく国家資格で、今年1月の試験には全国で7万4595人が受験した。3月25日に結果が発表されて6万1747人が合格し、合格率は82.8%だった。

 今春の卒業生は22年度の卒業生と同様に3年間、新型コロナ禍で校外実習に行けなかった。代わりに、モデル人形を扱った実習などの授業を受けて切磋琢磨(せっさたくま)してきた。

 県内高校4校28人で昨年6月に競った「県高校生介護技術コンテスト」には代表6人が出場。課題に応じて要介護者を介護する「介護技術部門」と、より良い介護についての研究成果を発表する「生徒研究発表部門」の2部門で同校チームが最優秀賞に輝き、関東大会に出場した。

 クラス担任を務めた根本学(ねもとまなぶ)教諭(39)は「本番に強く、プレッシャーをものともしない生徒たちだった」と振り返る。「福祉の世界は常に法律や制度が変わるので、勉強し続けることを忘れないでほしい」とエールを送った。

 卒業後、市内の特別養護老人ホームで働く小島美咲(こじまみさき)さん(18)は「3年間、試験に向けて頑張ってきた。みんなと合格できてとてもうれしい」と話した。

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