「ユウキの能力は遥かに価値がある!」中国GPのRBチーム内対決、角田裕毅の圧倒的優位を海外強調!「プレッシャーを感じているのは豪州人ドライバーだ」

2019年を最後に、以降の4年間はコロナ禍によって中止となってきたF1中国グランプリが今週末に「上海インターナショナルサーキット」で開催されるが、今季5戦目となるこのグランプリに向け、ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅が意気込み等を語っている。

日本GPでは目標だった母国レースでのポイント獲得を果たし、さらに評価を高めた23歳は、自身初体験となるコースでのレースに対し、チームの公式サイトを通して、「とてもワクワクしています。今まで行ったことがなく、その上、スプリント方式となるので、間違いなくチャレンジングなレースになるでしょう」と展望を示し、以下のように続けた。

「同時に、ここ数戦は良いレースができており、良い状態にあるので、最大限の力を出し尽くしたいと思います。自信は持っており、ポイント獲得とQ3進出を目指します。このコースは、とてもユニークだと思います。特に、ターン1、2は、右に長くターンをした後、すぐ左に曲がる感じで、明らかにレースではタイヤのマネジメントが重要になると感じています。我々には、間違いなく良い車があるので、上手く機能させたいと思います(後略)」

一方、日本GPでは迅速なピット作業で角田をサポートしたRB。レーシングディレクターを務めるアラン・パーメインは、「現在の車で初めて臨むグランプリであり、スプリントが実施され、そしてユウキにとっては初めての上海となる。スプリント予選の前には、わずか1時間の走行時間(フリー走行1回目)しかないため、ここで即座にペースを掴む必要があるが、ドライバーはシミュレーターで準備をしており、万全の体制にある」とコメントしている。

各国の専門メディアの反応を見ると、フランスのモータースポーツ専門サイト『NEXTGEN-AUTO』は、「ユウキは初めて上海のコースを体験することになり、たった1回のフリー走行で多くのことを済ませなければならないが、彼は自身の好調さに頼るつもりでいる」と綴った。
一方、イタリアの自動車専門サイト『MOTORIONLINE』は、RBの両ドライバーに言及し、「ダニエル・リカルドと角田には、中国GPで異なる目標がある。スプリントが実施される今週末で、ここまで低迷しているリカルドは軌道に乗ろうとしており、一方の日本人ドライバーは、最近のポジティブな感触を確認し、ファエンツァのチームにさらなるポイントをもたらし、ランキングを上げたいと考えている」と伝えている。
最後に、英国のF1専門サイト『PLANETF1.COM』は、「中国GPでの5つの疑問」と題した記事において、RBのチーム内対決に注目。「リカルドは角田の勢いを止めることができるか? このレースに向けて、かなりプレッシャーを感じているように見えるのは、その去就にも注目が集まっているオーストラリア人ドライバーの方だ」と綴り、続けて以下のように両ドライバーの現状を紹介した。

「2024年に入ってから、ユウキはダニエルを圧倒しており、全ての予選で上回り、レースでも4回中3回で勝っている(唯一の敗戦もチームオーダーによるもの)。何より重要なのは、ユウキがポイントを獲得しているということであり、最高順位は7位。対してダニエルは12位に止まっている。中団争いは非常に厳しい状況にあり、その中でポイントを獲得しているユウキの能力は、現時点でリカルドの可能性よりもはるかに価値がある」

このように、角田の優位性を挙げた同メディアだが、「リカルドの中国GPでの成績に関して言えば、彼は2018年(レッドブル在籍時)にここで優勝しており、サーキットに対しては良い思い出を持っているだろう」とも記述。8度の優勝を誇るベテランが、その経験を活かせるかに注目している。

構成●THE DIGEST編集部

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