「自分は遭わない」の考えは禁物 20日からツキノワグマ被害防止キャンペーン 行楽シーズン前に山林や人里で場面に応じた対策呼びかけ 岩手

山に入る機会が多くなる行楽シーズンを前に、岩手県は20日からツキノワグマの被害防止キャンペーン実施すると発表しました。

県内では18日にクマによる人身被害が発生していることから、県では改めて注意を呼びかけています。
20日から5月31日まで実施される「春のツキノワグマ被害防止キャンペーン」は入山機会が増える行楽シーズンを前にクマとの遭遇や人身被害を防止するため、県が去年の秋に続いて行うものです。キャンペーンではラジオやSNSを通じた広報のほか、山や人里で注意すべきポイントを記したチラシやカードを作成し、山開きイベントの参加者や中山間地域の居住者へ配布します。

県内では18日午後に北上市和賀町の山林で山菜採りをしていた70代の男性がクマに襲われ顔などにけがをしました。県内での人身被害の発生は去年12月の大船渡市での発生以来で今年初めてとなりました。
また、4月2日には花巻市の大沢温泉のごみ集積所にクマが出没し、警察や猟友会が対応しました。
県内では昨年度、人身被害が過去最多の46件発生し、このうち一戸町と八幡平市では襲われた2人の女性が亡くなっています。山間部だけでなく中心市街地や住宅地での出没も増加していて、県がまとめた昨年度の出没件数は5877件で過去5年の平均値2703件の2倍以上となりました。
ツキノワグマによる被害や出没の増加を受けて、県は一人一人の対策の重要性を訴えています。

(県自然保護課 岩渕美保特命課長)
「自分は遭わないということではなく、山に行くことはクマに遭遇する確率が上がると意識して山菜採りや行楽地、登山に出かけてほしい」

県は被害に遭わないために、山林では「複数人で行動する」「鈴やラジオなどの音の出るものを持つ」、人里では「周囲のやぶを刈り払う」「屋外や納屋に果物やペットフードを保管しない」などの対策の徹底を改めて呼びかけています。

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