友好40年「共に春を」 中国・遼寧省トップが来県

遼寧省の代表的な書家がしたためた書を新田知事(右)に贈る郝氏=富山県庁

  ●知事表敬、連携深化に意欲

 富山県と友好提携先の中国・遼寧省のトップである郝鵬(かくほう)同省委員会書記が20日、富山県入りし、新田八朗知事と懇談した。郝氏は1984(昭和59)年に友好県省を締結して以来、40年の節目になるとし、新田知事に「(省を流れる)遼河の雪が解け、富山に花が咲き、兄弟姉妹のわれわれは共に春を待とう」という意味の書を贈呈。両県省間の連携をさらに深める意欲を示した。

 遼寧省委員会書記の来県は、2010年以来14年ぶり。県庁で新田知事と山本徹県議会議長を表敬した郝氏は、昨年11月に中国の習近平国家主席が米国で岸田文雄首相と会談したことに触れ「遼寧省と富山県の発展の方向性を示している」と指摘し、提携40年を契機に、友好関係を強固にしていくよう求めた。

  ●ファスナーはYKK

 郝氏はコロナ禍の際に、富山から贈られた支援物資の中に「兄弟姉妹のわれわれは共に春を待ち望もう」との言葉が寄せられていたことが忘れられないとし「富山は最も重要な友好関係の都市だ」と力を込めた。自身のジャケットのファスナーが、県内に生産拠点を置くYKK(東京)製であると明かし、会場を沸かす場面もあった。

 新田知事は富山県について、日中国交正常化に貢献した南砺市福光地域出身の政治家、松村謙三の故郷であると説明した。来月に知事を団長とする友好訪問団が同省を訪ねるとし「遼寧省の発展の状況を見せてほしい」と呼び掛けた。

  ●40年で「惑わず」

 表敬に引き続き、富山市のとやま自遊館で友好県省締結40周年記念祝賀会が開かれ、約90人が今後の交流促進を誓った。郝氏はあいさつで、孔子が40歳を「惑わず(不惑)」と表現したとし「遼寧省と富山県も(友好40年で)惑わない時期に来ている」と述べ、両県省の新たな歴史に期待を寄せた。郝氏は21日、県内を視察する。

富山県と遼寧省のさらなる交流促進を誓った祝賀会=富山市のとやま自遊館

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