幸せに欠かせない3つの幸福ホルモンとは?メンタルドクター Sidow先生がアドバイス

イライラしやすい、不安になりやすい人は必見です。3つの幸福ホルモン「セロトニン」「ドーパミン」「オキシトシン」を高める方法とは? YouTubeで大人気のメンタルドクター 精神科医Sidow先生にアドバイスいただきます。

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ADVICE
メンタルドクターSidow先生
めんたるどくたー・しどう●精神科専門医。医学博士。筑波大学附属高等学校を経て、東邦大学医学部を卒業後、精神科医を選択する。現在は都内でメンタルクリニックを開院。精神科医として働く中で、世間の精神疾患に対する偏見や誤解の解消、精神科の早期受診の必要性を実感し、SNSで精神科医として情報発信を始める。YouTubeやX(旧Twitter)など自身が運営するSNSの総フォロワーは10万人を超え、さらに人気急上昇中。

幸せに欠かせない3つのホルモン

セロトニン、ドーパミン、オキシトシンはいずれも脳内の神経伝達物質で、3つ合わせて「幸福3大ホルモン」といわれています。

この3つのホルモンが正常に分泌していると幸せを感じるのです。
セロトニンは感情をコントロールし、ドーパミンはやる気を出し、オキシトシンは愛情を感じやすくします。この3つのホルモンが相互作用して、ストレスやイライラ、不安を和らげてくれるのです。

幸福ホルモン①【セロトニン】とは?

精神を安定させる働きをするホルモンです。感情をコントロールする、不安感を抑制して平常心を保つなど、日常生活を送る上でとても大切なこのホルモンは、体内で自然に分泌され続けています。セロトニンが減ると、自律神経が乱れて自律神経失調症などになることもあるので、注意が必要です。

セロトニンの分泌を高める方法

リズム体操

●ラジオ体操
●ウォーキング
●サイクリングなど

一定のリズムを刻む運動がセロトニンの分泌を促します。咀嚼や呼吸などもリズム運動に含まれます。太陽の光もセロトニンを分泌させるので屋外で運動すると効果的。5~30分、疲れない程度に体を動かしましょう。

食事

●大豆食品
●乳製品
●赤身肉
●赤身魚
●バナナ
●ナッツなど

セロトニンは食べ物からも増やすことができます。必須アミノ酸のトリプトファンを含む食材をとると、脳内でセロトニンに変化します。白米と一緒にバランスよく食べるとより効果的です。

<こんな食材でセロトニンup!>
カツオ刺し身 マグロ刺し身 牛モモ 豚ヒレ 豆腐 バナナ チーズ 納豆

幸福ホルモン②【ドーパミン】とは?

ドーパミンは脳を興奮させる伝達物質で、喜びや快楽を感じたときに分泌するホルモンです。意欲、集中力、生産性を上昇させるため、仕事、学業、スポーツなど、試練に立ち向かうときに分泌します。達成したときは多量に分泌してさらにやる気が出ますが、過剰に分泌すると快楽が止められずに危険な側面も。そんなときはセロトニンがブレーキをかけます。

ドーパミンの分泌を高める方法

●いつもと違う道を通る
●家にこもらず外に出る
●新しいことにチャレンジする

何か新しいことをするとドーパミンは分泌します。特に午前中にドーパミンが大量に分泌されるので、やる気が出ない人、集中力が続かない人はドーパミンの力を借りて午前中に行動するとパフォーマンスがアップします。

幸福ホルモン③【オキシトシン】とは?

「愛情ホルモン」「信頼ホルモン」ともいわれ、幸せを感じるときに分泌され、不安や心配を緩和します。育児やペットとのスキンシップなどでオキシトシンは多量に分泌され、副交感神経が優位になって自律神経を整えストレスを軽減してくれます。社会生活の中で心の余裕をつくってくれるのもこのオキシトシンです。

オキシトシンの分泌を高める方法

●育児をする(特に男性に効果あり)
●動物の赤ちゃんの動画を見る
●好きな匂い(アロマやお茶など)を嗅ぐ

もともと女性に多く分泌されているといわれていますが、男性も育児、キス、ハグなどをすると分泌が促進されます。スキンシップで多く出ますが、リラックスしているときに好きな匂いを嗅ぐ、人に優しくするなどしても多く分泌されます。

次回は、8つの日常の悩みについて、Sidow先生に回答していただくQ&Aです。

※この記事は「健康」2024年春号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。


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