義援金、走って見附島へ 8月、金沢のランニングチーム 支援Tシャツの収益

珠洲に走って義援金を届ける早川さん(手前右から3人目)とチームメンバー=市民芸術村

  ●珠洲へ思い届ける

 金沢のランニングチーム「無限会社ZERO」は8月、能登半島地震で被災した珠洲市へ義援金を走って届ける。被災地支援を目的に制作したTシャツの収益などを手に、珠洲の見附島までの総距離300キロ以上を駆け抜ける。全行程を走行する早川聴さん(42)=金沢市=は「県内外のランナーから受け取った能登への思いを届けたい」と意気込んでいる。

 無限会社ZEROは金沢を中心に北陸三県の47人が所属する。2020年の結成時から、海抜0メートル地点を発着点に白山に登頂するウルトラトレイル「ZERO白山」を企画してきた。

 今年は「ZERO白山 to見附島」と題し、白山市の小舞子海岸をスタートして白山に登り、北上して見附島を目指すコースを設定。4日間で義援金を走って届け、思いを現地に伝える計画を練っている。

 チームには珠洲に帰省中に被災したメンバーもおり、発災直後から走った距離に応じて義援金を送る活動や、ランナー向けチャリティーフリーマーケットなどを開催し、被災地へ思いを寄せ続けてきた。

 見附島をデザインした「LOVE能登」のTシャツも制作。1枚あたり500円を義援金とし、現在は約700枚を売り上げた。大会で着るランナーや、店舗で着用している能登の商店主もおり、県内外に応援の輪が広がっている。

 当日は早川さんをはじめ、メンバーが伴走やサポートで加わる。完走を目指す早川さんは本番に向け、体作りに励む。北陸新幹線敦賀延伸日には一番列車を見送るため金沢から敦賀駅まで約140キロを走破。5月には能美市の遣水観音山で行われるレース「ヤリカン100マイル」(北國新聞社後援)にも出場予定だ。

 祖父母が暮らし、子供時代を過ごした珠洲は思い出の地でもあるという。早川さんは「能登が復興した時には、珠洲でウルトラマラソンを企画したい。Tシャツを買ってくれた全国のランナーと一緒に、奥能登を走りたい」と話した。

 チームの「社長」である平山美津枝さん(62)=内灘町=は「支援は継続していくことが何より大切。これからも能登のことを応援し続けたい」と話した。

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