架空請求1450万円被害 金沢の70代、老人ホーム入居権巡り

 金沢西署は22日、金沢市の70代女性が、老人ホーム入居権に絡む架空料金請求名目の特殊詐欺被害に遭い、現金約1450万円をだまし取られたと発表した。石川県警によると、今年に入って県内で発生した特殊詐欺被害で最高額となる。

 署によると、昨年9月下旬、女性方に大手建設メーカーの社員を名乗る男から「老人ホームの入居権を譲ってほしい」と電話があった。女性が承諾すると、後日に別の大手住宅メーカーの社員をかたる男から電話で「名義貸しは詐欺になる。キャンセルには1千万円必要だ」と伝えられ、女性は同9月25日、現金約250万円を菓子箱に入れて都内の指定住所に郵送した。

 女性への電話は続き、その後は弁護士を名乗る男から「銀行口座が凍結される。供託の形で現金を保管するので送ってほしい」と言われ、女性は昨年10月20日、さらに現金約1200万円を都内に郵送した。その後、男と連絡が取れなくなり、女性は4月10日に家族に促されて署に相談した。

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