九州高校野球 長崎日大が初戦敗退 熊本国府に延長11回、サヨナラ負け

【1回戦、長崎日大―熊本国府】7回から2番手で登板し、4回2/3を1失点と好投した長崎日大の西尾=佐賀県立森林公園野球場

 第154回九州地区高校野球大会第4日は23日、佐賀市の佐賀県立森林公園野球場で1回戦残り2試合と準々決勝1試合が行われ、長崎県勢は長崎日大が熊本国府に延長十一回タイブレークの末に1-2でサヨナラ負けした。
 長崎日大は二回、先頭の加藤が敵失で出塁すると、続く渡辺の犠打と林田の右前打で1死一、三塁と好機を広げ、けん制悪送球の間に1点を先制した。五回に追い付かれて以降は投手戦となったが、1-1の延長十一回裏二死満塁から、サヨナラ打を許した。先発三丸が6回を3安打1失点、西尾も4回2/3を3安打1失点と好投したものの、打線が散発6安打に抑えられた。
 このほか、1回戦の鹿児島実-東明館(佐賀)は鹿児島実が3-2でサヨナラ勝ち。唐津商(佐賀)が宮崎商に競り勝って4強入りした。
 第5日は24日、同野球場で準々決勝残り3試合を実施する。

◎二枚看板粘投も打線沈黙

 140キロ台中盤の直球を誇る右の二枚看板を擁する長崎日大が、1回戦で姿を消した。二回に先制して、その後も2安打を放った林田らが好機はつくったが、終わってみれば適時打ゼロで残塁10。平山監督の「春からの課題だった得点力不足がなかなか払拭(ふっしょく)できない」という言葉に無念さがにじんだ。

【1回戦、長崎日大―熊本国府】7回表長崎日大1死、林田が左前打を放つ=佐賀県立森林公園野球場

 春の選抜大会に出場した熊本国府の投手2人を捉えられなかった。いずれも球速こそ130キロ台前半ながら、手元で曲がる変化球を含めて制球が安定。狙い球を直球にしぼるなど工夫したものの、主将で4番の加藤が「打ちづらかった」と振り返ったように、勝負強い中軸が打たせて取られた。同点の十回2死一、二塁で長船が中前へはじき返したが、二走が本塁タッチアウト。追加点が遠かった。
 一方で三丸と西尾の二枚看板は粘投した。先発三丸は直球に変化が大きいスライダーを織り交ぜ、6回1失点と試合をつくった。西尾も十回1死二、三塁のピンチを力強い直球で抑えるなど、気迫あふれるピッチングを披露。バックも無失策で守った。それだけに、あと1点が欲しかった。
 あらためて得点力不足を突きつけられる結果になった今大会。当然悔しさは残るが、やるべきことを明確にできたのは収穫と言えるだろう。加藤は「全員がバッティングを詰めていかなければと感じたと思う。夏に向け、もう一度バットを振り込んでいく」と再起を誓っていた。

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