県内5市町「消滅可能性」 南砺、氷見、入善、上市、朝日 人口戦略会議が報告書

  ●若年女性、50年までに半減

  ●小矢部は「消滅」脱出 

 民間の有識者でつくる「人口戦略会議」は24日、全体の4割超に当たる全国744市町村で2020年から50年にかけて若年女性人口が半減し、将来的に「消滅の可能性がある」との報告書を公表した。富山県内では南砺、氷見、入善、上市、朝日の5市町が「消滅可能性自治体」に分類され、減少率20%未満の「自立持続可能性自治体」は一つもなかった。

 県内の消滅可能性自治体5市町の減少率は、朝日町が64.0%と最も高く、氷見市63.0%、上市町59.0%、入善町56.3%、南砺市55.4%と続いた。

 2014年の報告で、県内で唯一若年女性人口が増加すると予想されていた舟橋村は、減少率22.6%となり、減少に転じた。

 15市町村のうち9市町では14年の報告より減少率が改善し、前回の報告で若年女性が54.8%減少すると予想されていた小矢部市は、減少率が49.3%に改善し、「消滅可能性自治体」を脱した。黒部市で減少率44.1%から37.1%、滑川市で36.6%から30.3%、富山市で34.0%から27.7%の改善がみられた。

 消滅可能性を巡っては、人口戦略会議メンバーの増田寛也日本郵政社長が座長を務めた「日本創成会議」が14年、同様に若い女性の減り方に注目し、896自治体を名指しした。人口戦略会議は今回の結果を「14年に比べ改善が見られる」と評価したが、主因は外国人住民の増加だとして「少子化基調は全く変わっていない」と指摘した。

 新たな試みとして、人口移動がある場合、ないと仮定した場合の女性減少率を組み合わせ、1729自治体を4分類した。内訳は消滅可能性744のほか、100年後も若年女性が多く残る「自立持続可能性自治体」65、人口流入が多いが出生率が低い「ブラックホール型自治体」25、いずれにも該当しない「その他」895だった。

 今回の分析は、23年12月に国立社会保障・人口問題研究所が発表した50年までの推計人口に基づく。全国1729市区町村について、出産の中心的な年齢層である20~39歳の女性人口の増減に着目した。

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