西武ドラ1武内夏暉の新人王獲得を邪魔する深刻貧打…7回好投もわずか2安打、またも見殺し

武内夏暉(C)共同通信社

またも見殺しにされた。

24日のオリックス戦に先発した西武のドラ1ルーキー武内夏暉(22)。六回まで1失点と好投しながら、待てど暮らせど援護がない。

結局、7回3失点で降板。この間、味方打線はわずか2安打のみ。九回になってようやく3点を返して一度は同点に追いついたものの、武内にすれば「もっと早く……」が本音だろう。

プロ初登板初勝利を挙げて以降は、2試合続けて勝ち星なし。10日の前回登板も7回2失点と好投しながら、打線に見殺しにされた。もっか3試合で1勝0敗、防御率2.14。3勝無敗でもおかしくない成績だ。

最下位の西武はチーム打率も.208と、リーグワースト。今後も貧打が続くようなら浮上はもちろん、武内の新人王すらも危うくなる。

ドラフトで3球団が競合した武内は、今季パの新人王候補筆頭。勝ち星は打線の援護があってこそ、投手の実力に直結するものではないとはいえ、新人王は記者投票だ。印象に残りやすい勝敗数が、選考に直結する傾向がある。

過去、先発投手で負け数が勝ち数を上回りながら新人王を獲得したのは、セでは2012年の野村(広島、9勝11敗)、パは02年の正田(日本ハム、9勝11敗)までさかのぼる。野村はリーグ2位の防御率1.98、正田は同3位タイの5完投が評価された。

「投球の間合いが長い投手だと、野手は守備の時間ばかりが長くなり、打撃のペースが乱されることはある。しかし、武内の投球テンポは良く、その心配はない。単純に今の西武打線が打てないだけ。仮にこのまま勝ち星を積み上げられなければ、新人王はどうなるか。新人王候補は武内だけじゃありませんからね」(球団OB)

現時点での対抗馬は日本ハムの2年目右腕、金村。昨季は先発4試合で2勝1敗、防御率1.80と才能の片鱗を見せ、今季はリリーフ9試合で1失点。新庄監督は5月中に先発へ再転向させる方針という。

ちなみに西武は延長十回サヨナラ負け。武内の新人王どころじゃなさそうだ。

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投手陣は気を吐いているが、野手はからっきし。しかも、ここ数年で若手が育っていないのが現状だ。2019年から21年まで二軍監督を務め、22年はヘッドコーチ、昨季から指揮を執る松井稼頭央監督(48)に対し、「二軍で誰を育てた?」という批判もある。フロントにしても功労者の引き留めにことごとく失敗、獲得した野手の助っ人外国人は機能していない。

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