【広島】失策〝半減〟ペース 地道な練習と意識変化でディフェンス面が進化

遊撃と三塁で全試合スタメンの広島・小園海斗。奥は矢野雅哉

就任2年目の新井貴浩監督(47)率いる広島が内野陣を中心とするディフェンス面が進化を見せている。

記録に残らないミスもあるとはいえ、20試合を終えて4失策はリーグ最少。守備率9割9分5厘も1位だ。リーグ5位だった昨季の82失策から〝半減〟するペースで、中でも連係プレーの成熟度は増している。

レギュラー陣で最も経験豊富な二塁手・菊池と10試合以上で二遊間コンビを組んだ矢野をはじめ、遊撃と三塁で全試合スタメンの小園、一塁の堂林の4人を中心とする内野陣について、他球団も「去年よりも確実に守りは堅い」と一目置くレベルとなっている。

今季から一軍内野守備担当の三好コーチは「特にハンドリングと秒数はこだわりました。併殺なら常に4秒切りを目標に。これぐらいのスピードでやれば(打者は)普通にアウトになる。『正確さ』と『速さ』を意識した練習は結構やりました」と地道な反復練習の成果を口にする。

また、試合中の内野陣のポジショニングについても選手同士で頻繁に意見が飛んでいるという。「捕手のサインを見て状況に応じて連係して1球1球、動いて準備して。それがいざ連係に入った時の速さにも生かされている」と意識面での〝成熟ぶり〟も証言する。

2―0で4連勝を決めた23日のヤクルト戦では「併殺」が勝敗の明暗を分けた。両軍無得点の5回に遊撃手の矢野から鮮やかな「6―4―3」の併殺を決めた一方、ヤクルトは7回一死一塁から坂倉の三ゴロで併殺を奪えず、直後に宇草に決勝2ランを浴びた。

ここまで先制に成功した試合は6勝3敗。「先行逃げ切り」が戦いのベースにある新井鯉だけに、上位浮上へ「堅守」は必須となりそうだ。

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