「気乗りがしない誘い。うまく断る方法は?」メンタルドクター Sidow先生が回答 8つのQ&A

「友人に答えたくないことを聞かれたときはうそをついてOK?」小さな悩みが積もり積もると大きなストレスに。こんな時どうしたらいい? YouTubeで大人気のメンタルドクター 精神科医Sidow先生に回答いただきました。

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ADVICE
メンタルドクターSidow先生
めんたるどくたー・しどう●精神科専門医。医学博士。筑波大学附属高等学校を経て、東邦大学医学部を卒業後、精神科医を選択する。現在は都内でメンタルクリニックを開院。精神科医として働く中で、世間の精神疾患に対する偏見や誤解の解消、精神科の早期受診の必要性を実感し、SNSで精神科医として情報発信を始める。YouTubeやX(旧Twitter)など自身が運営するSNSの総フォロワーは10万人を超え、さらに人気急上昇中。

Q 気乗りがしない誘い。うまく断る方法は? (介護職・48歳女性)

A 相手との関係を考慮して、断り方を考えること自体がストレスになるときがあります。「断る」のではなく「自分の予定を優先する」と考えてみませんか?

具体的な予定を作って「行けない理由」を伝えれば相手も納得すると思いますよ。

Q 人の好き嫌いはハッキリさせたほうがいい? (会社員・52歳女性)

A ハッキリさせる必要はないと思います。感情はグラデーションのようなもの。どのくらい好きか嫌いかは、そのときの気分によっても違います。

自分と同じ考えの人と出会うことは不可能ですし、意見が合わない人を排除することにもつながってしまうと、良好な人間関係を構築することは難しいと思いますよ。

Q 職場の人たちの輪に入れず、いつも不安。どんなことをすればいいですか? (製造業・55歳男性)

A 輪に入れないことが不安で、ほかのことをしていてもそのことを思い出して不安になり、生活に影響を及ぼしていたら治療の対象になります。

不安に対して対策ができればストレスは減ります。勇気を出して声をかけてみるなど、対策を考えることを優先してみてください。

Q 1人の時間はつくったほうがいい? (事務職・58歳女性)

A これはタイプによると思います。コロナ禍で家族がテレワークになり、1人の時間がなくなってストレスフルになった人が多くいました。このような人は、1人の時間をつくったほうがいいでしょう。

逆に悩みやすい人は、何もしていない1人の時間があると余計なことを考えてしまうので、1人のときは趣味など没頭できる時間に充てましょう。

Q 友人に答えたくないことを聞かれたときはうそをついてOK? (パート勤務・51歳女性)

A 相手との関係性にもよりますが、信頼できる関係であれば、理想としては素直に「その話はちょっと答えたくないんだ」と言うといいと思います。

うそをついてもめたり、その後の関係性に影響してしまうより、勇気を出して「答えたくない」という意思を伝えましょう。

Q 空気は読む?読まないほうがいい? (会社員・60歳女性)

A 最近「嫌われてもいいから空気は読むな」という主張をよく耳にします。「人に嫌われてもいい、鈍感力がうまく生きていく秘訣」という考え方のようですが、空気を読めば自分がどう動くか選択肢が増える可能性も。

さらにしっかり相手の話を聞くと、状況や考え方がわかってなおいいと思います。

Q 妻が毎日イライラしたり、落ち込んだりしている。精神科をすすめたほうがいい? (会社経営・56歳男性)

A 家庭内で家族にイライラをぶつけられると、家族も参ってしまいます。誰か相談できる方はいませんか? できるだけ多いほうがいいです。

相談できる人がいなくて、本人が「今の状態をなんとかしたい」と言うのであれば、相談先の1つとして精神科を考えてみてもいいと思います。

Q 落ち込んでいるとき友達にLINEでグチを言ってもいい? (専業主婦・56歳女性)

A ある程度「持ちつ持たれつ」の関係性ができていて、グチを言い合える仲であればOKだと思います。

一方的にグチを言って相手を疲れさせてしまったり、自分のストレスを発散する対象になったりしていないかという点には気をつけましょう。

考え方や行動を変えれば、ストレスは減らせます

多くの人がストレスを抱えながら生きている時代です。小さなストレスの蓄積や、ちょっとした環境の変化で人は精神を病んでしまいます。しかし、考え方や行動を変えればストレスは回避できるのです。

泳ぎ方を知らなければ、いきなり泳ぐことはできないことと同じです。ストレスの適切な減らし方を知らなければ、当然それにうまく対応することはできません。

ストレスを軽くして心を守る具体的な考え方や行動を身につけて、健やかな生活を送りましょう。

※この記事は「健康」2024年春号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。


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