赤いオブジェ、ポンプのモニュメント… 広島市中心部のおしゃれな通りにあるアートは何?

並木通りにある赤い彫刻

 おしゃれな店がたくさんある並木通り(広島市中区)。道沿いにある赤いフレームについて、詳しく知りたいとの声が寄せられた。由来や背景を探ってみた。

 広島パルコから南へ。複数の長方形を組み合わせた高さ約3メートルのステンレス製のオブジェがある。近くを通る若者やお年寄りに聞いたが、「視界には入っているけど何か分からない」「通りがかって不思議に思っていた」といった反応だった。

 並木通り商店街振興組合によると、中区のアーティスト鈴木たかしさん(76)の作品。1980年ごろ、当時の組合理事長が「若者が集まるおしゃれな街」を目指し、制作を依頼したそうだ。

 鈴木さんを訪ねると「さらに南にある手押しポンプのモニュメントも、かつて川があったシンボルとして自分が作ったもの」と案内してくれた。これらのアート作品の存在もあり、88年にデザイン性の高い商業地区として全国表彰された。

 並木通りが生まれ変わって40年余り。商店主や住民たちが今、木陰でのオープンカフェなど新たな活性化策を構想する。そのプロジェクト「並木コンソーシアム」の伊藤進事務局長(42)は「おしゃれな街と自然が共存する、居心地の良い通りにしたい」と力を込める。魅力的なストリートを目指す精神は、時代が移っても受け継がれていた。

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