恒例のこいのぼり、避難先で珠洲・大谷の住民のため白山一里野

風になびくこいのぼり=白山市尾添の白山一里野温泉スキー場

 能登半島地震で被災した珠洲市大谷地区の住民45人が身を寄せる白山市尾添の白山一里野温泉で29日、スキー場のリフトにこいのぼりが取り付けられた。大谷地区では例年、地元の大谷川に約350本のこいのぼりを掛ける「こいのぼり川渡し」が行われており、避難者は優雅に空を泳ぐ姿に故郷の風景を重ねた。

 こいのぼりは、吹き流しを含めて4セット分16本が掲げられた。金沢市の玩具店「堅田商店」が、被災者を元気づけようと、白山市を通じて白山一里野温泉観光協会に寄付。協会が子どもの日に合わせて飾った。

 大谷地区では今年、地震を受けて川渡しの中止が決まっている。珠洲市馬緤町から避難している大兼政康秀さん(60)は「故郷への思いが高まった。大谷川に再びこいのぼりが飾られる日が来てほしい」と願った。こいのぼりは5月末まで飾られる。

  ●5地点で夏日

 29日の石川県内は曇り空が広がり、最高気温は白山河内26.1度、金沢25.5度など5地点で夏日を記録した。金沢地方気象台によると、30日の県内は曇りや雨となる見込み。

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