寝癖・ボタン押さず赤信号のまま…島にたった一つの信号機「子どもたちが島外に出たときの教材」 伊是名小の前に設置 横断歩道渡る児童を見守る

 伊是名村立伊是名小学校(沖縄県)の新1年生が登校して3日目となった12日、同校前にある島唯一の信号機の下で、宜志富勇校長や奥間守村長、本部署伊是名駐在所の照屋武巡査部長の3人が子どもたちの登校を見守った。3人は毎朝、「朝のあいさつ運動」として児童らが横断歩道を渡る際の誘導を続けている。

 同小には本年度13人が入学。新学期を迎え、全校生徒は83人となった。

 1年生らは、交通安全の蛍光色のカバーを付けたランドセルを背負って登校。歩行者用信号機のボタンを押して、信号機が青になった横断歩道を友人と駆け足で渡ったり、手を上げて歩いたり。目をこすって眠そうな1人はボタンを押さずに赤信号で渡りそうになり、奥間村長が慌てて呼び止める場面も。

 宜志富校長によると、信号機は子どもたちが島外に出た時のための教材。村長や駐在員も含めた交通安全活動に「学校だけでなく地域で見守っていただきありがたい」と感謝した。

 奥間村長は「朝早いから寝癖がついている子もいる」と笑顔。駐在所に勤めて2年目の照屋巡査部長は「進級すると子どもたちは一気に大人の顔になる」と楽しみを見つけた様子だった。(北部報道部・比嘉海人)

 

(写図説明)島唯一の信号機の下で、子どもたちの横断を見守る伊是名村の奥間守村長(右)ら=12日、同村

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