集団埋葬地ほぼ特定か、5月試掘へ パラオ・ペリリュー島で県人ら日本兵遺骨収容活動 米資料解析11年、結実

ペリリュー島ホワイトビーチの埋没戦車内部で遺骨収容作業にあたる白方勝彦さん(2022年9月撮影、本人提供)

 太平洋戦争の激戦地の一つ南洋パラオ諸島にあるペリリュー島の戦いで死亡した日本兵らの遺骨収容活動に県人を団長とする派遣団が取り組んでいる。派遣団は「最近の調査で、所在地が分かっていなかった日本兵らの集団埋葬地の場所をほぼ特定できた可能性が高い」とする。集団埋葬地を巡っては1086人を埋葬したとする米側の文書など数点の資料が確認されていたが、いずれも場所が明確に示されておらず、絞り込みが難航していた。派遣団は5月に候補地の一画を試掘し、結果次第で秋に本発掘に移行する予定。

 派遣団は、日本戦没者遺骨収集推進協会の事業単位派遣員でパラオを担当し、5月の試掘で団長を務める白方勝彦さん(61)=松山市=やジャングル伐採のための技術を有する四国中央市の林業の男性のほか、遺骨や年代の鑑定の専門家ら約10人で構成。遺骨の収容活動と同時に、集団埋葬地の現地調査や公文書の精査などに取り組んできた。

「一柱でも多くの遺骨を日本に帰したい」と思いを語る白方勝彦さん=18日、松山市

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