待望の「プール開き」 金沢21美 4カ月ぶり、観光客続々

4カ月ぶりに入場が再開され、大勢の観光客でにぎわう「スイミング・プール」=1日午前10時10分、金沢21世紀美術館

  ●地上部を無料開放 

 金沢21世紀美術館は1日、能登半島地震の影響で閉鎖していた大型展示作品「スイミング・プール」への入場を4カ月ぶりに再開した。館を代表する人気スポットを見られるとあって、午前中から観光客が続々と来館。波立つ水面を見つめたり、スマートフォンで作品を撮影したりして「プール開き」を満喫した。

 同館では、午前10時の開場前から30人ほどが列をつくった。結婚40周年の記念旅行で神奈川県大和市から訪れた山田弘子さん(62)は「きょうから特別にプールを見ることができると聞いて、楽しみにしていた。とてもきれい」と声を弾ませた。

  ●「中から見たかった」

 「スイミング・プール」は、地上部から眺めるだけでなく、水を張って水面を表現したガラスの下からも鑑賞できるのが特徴。ただ、今回、開放されたのは地上部分だけで、友人と旅行中の阿部瞬介さん(28)=広島市=は「プールの中に入って見てみたかった。次に訪れる時の楽しみにしたい」と話した。

 美術館は、元日の地震で展覧会ゾーン(有料)のガラス天井が損傷、落下するなどの被害を受け、約1カ月にわたって休館した。2月上旬、交流ゾーン(無料)の一部で営業を再開したものの、展覧会ゾーンに位置するプールには立ち入れず、来場者から残念がる声が出ていた。

 同館の落合博晃広報課長は「多くの人がプールを見て、とても楽しそうにしていた。また一歩、日常に近づくことができた」と手応えを語った。スイミング・プールの鑑賞は本来有料だが、6月22日の全館営業再開までは特別に無料とする。

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