命守った鍾乳洞 今は「映えスポット」に うるま市・ぬちしぬじガマ ゴールデンウイーク2024

 沖縄戦時に住民約300人が避難し、一人も命を落とすことがなかったとして知られるうるま市石川の「ぬちしぬじガマ」。国内外から年間約10万人が訪れる。ピンクや青などさまざまな色でライトアップされた鍾乳石は神秘的で「映えスポット」としても人気だ。

 「命をしのいだ」という意味で「ぬちしぬじガマ」と呼ばれる鍾乳洞は、全長200メートル。管理する池原勇矢さん(33)の曽祖父の故山城政賢さん(享年76)は戦時中、同集落の区長で、米軍に見つかった時には山城さんが交渉し、住民全員が生き延びた経緯がある。

沖縄戦で住民が避難。「ぬちしぬじガマ」とも呼ばれる鍾乳洞

 池原さんは6年前から「CAVE OKINAWA(ケイブ オキナワ)」として照明設置や足場を整備。案内板には鍾乳石の紹介だけでなく戦時中の出来事も記されている。「自然の魅力と平和を感じる場所として、地元の人もたくさん訪れてほしい」

 数万年かけて形成された鍾乳石の中には、赤土を含んで色づいた珍しい紅色の鍾乳石、触ると御利益があるとされる「黄金岩」など見どころ満載だ。(中部報道部・吉川毅)

 うるま市石川嘉手苅479の1。午前9時~午後5時半(最終受け付け午後5時)。年中無休。4月27日~5月6日までのゴールデンウイーク期間中の入場料は、大人500円、中学生以下300円、3歳未満は無料。電話098(964)4888。URL:https://cave-okinawa.com/ を参照。

 CAVE OKINAWA

© 株式会社沖縄タイムス社