「車にポテンシャルが感じられる」 角田裕毅、マイアミGPでの巻き返しに自信! チーム首脳は「FP1から一気にスタートを切ることが重要」と指摘

F1第6戦のマイアミ・グランプリが今週末に開催されるが、ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅は、今季最初の北米でのレースに臨むこととなる。

オーストラリアGP(7位)、日本GP(10位)と連続でポイントを獲得した後の中国GPでは、週末を通してペースとグリップの不足に苦しみ、決勝はケビン・マグヌッセン(ハース)との接触によって今季初のリタイアに追い込まれた角田。いったん途絶えた勢いを取り戻すべく意気込んでおり、チームの公式サイト等を通して、以下のようにコメントを発した。

「中国ではうまくいきませんでしたが、車にはポテンシャルが感じられたので、より力強くなってレースに戻ってこられると信じているし、今週末がとても楽しみです。マイアミにはいつも素晴らしい雰囲気があり、過去2年間でも良い思い出があるので、コースに出るのが待ちきれません」
「今週末はまたスプリントが行なわれるので、チャレンジングなものになります。我々の目標は両方のレースでポイントを獲得することですが、特に日曜日のメインレースに重点を置くことになります」

また、“食いしん坊”の彼らしく、「レースでは、地元の食べ物を試すのが好きなので、再びマイアミの名物であるストーンクラブを食べるのを楽しみにしています。できるだけ大きいものを選びたいです!」と付け加えることも忘れていない。 中国では、復調傾向のダニエル・リカルドも決勝でランス・ストロール(アストンマーティン)による“もらい事故”でリタイアを喫するなど、失意の週末を送ることになったRBだが、「上海での失望を振り切り、今は完全にマイアミに集中している」というレースディレクターのアラン・パーメインは、今週末について以下のように展望を示した。

「新たなスプリント開催の週末であり、3日間全てで競争が激化することになるため、フリー走行1回目(FP1)から一気にスタートを切ることが重要だ。両ドライバーの車には空力のアップデートがあり、これでどれだけパフォーマンスが向上するかが楽しみである。マイアミは、上海や鈴鹿よりも空気抵抗を減らすことが求められる厳しいコースレイアウトだ。ドライバーが最大のパフォーマンスを引き出すためには、ウォールに近い位置で走ることが重要であり、そのためにも車に完全な信頼を置けることが必要になる」

一方、チーム代表のローラン・メキーズは、オランダのF1専門サイト『RN365』に対して、今季のスタートが順調なものであることを強調し、中団争いが「我々とそれ以下の4チームによる戦い」であることに満足を示した上で、「ダニエルやユウキといった、多くの才能ある人物たちと一緒に戦えることは光栄だ」とも語り、「できるだけ早くこの素晴らしいプロジェクトを成功させたい」として、マイアミで現在の獲得ポイントを7からさらに積み上げることを期待している。
フランスのモータースポーツ専門メディア『NEXTGEN-AUTO』は、今週末のRBの両ドライバーについて、「リカルドは、中国GPで今季初めてチームメイトと同等、あるいは上回るほどの好調なパフォーマンスを見せ、これをマイアミでも継続したいと考えている。彼は、上海でのRBのダブルリタイアは、チームが進展ぶりを正確に反映していないと強調する。一方、角田は中国での困難な週末を経て、立ち直ることに自信を持っている」と伝えた。

ちなみに、アップグレードがなされることがパーメインRDから明かされた「VCARB01」だが、チームの発表では、このマイアミGPでは特別に「カメレオン」カラーリングが施されるとのことであり、より鮮やかな車がレースに彩りを添えることになる。

構成●THE DIGEST編集部

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