隆起の海岸、迂回路開通 輪島・国道249号「白米千枚田」近く

輪島市街地と市東部を結ぶ国道249号で開通した迂回路=2日正午、輪島市野田町(ドローンから)

  ●市東部から市街地へ大幅短縮

 能登半島地震による土砂崩れで寸断された国道249号のうち、大規模地滑りで通行できなくなった輪島市野田町の約800メートル区間で2日、隆起した海岸に造った迂回(うかい)路が開通した。輪島市東部地区では地震後、市街地まで1時間から1時間半かかっていたが、30分程度に大幅短縮となり、道路説明会に集まった住民約50人が早速、迂回路を通って市街地に向かった。

 国土交通省能登復興事務所によると、通行可能になった区間は国名勝「白米千枚田(しろよねせんまいだ)」の近く。道路幅は約5メートルで、すれ違いできるように待避所も設けた。新設した約400メートルは、隆起した海岸の岩礁を埋め立てて道路とする異例の工法が採用された。

  ●当面は工事業者や住民

 復旧支援の大型トラックの通行も可能で、輪島東部の南志見、町野地区の復旧加速も期待できる。当面は工事業者や地元住民の車両に限り通行できる。一般車両の通行を可能とする見通しは立っていない。

 開通に先立ち、名舟漁港で住民向け説明会が開かれ、能登復興事務所の担当者が大雨や高波、監視カメラや土砂のセンサーなどで異常が確認された場合に、通行止めとなることが伝えられた。西田昭二衆院議員があいさつした。

 道の駅「千枚田ポケットパーク」で開通を待っていた輪島市渋田町の男性(70)は、市中心部の避難先からの距離が短くなり「これから20分ほどで通える。ガソリン代もばかにならないので、本当に助かる」と話した。

© 株式会社北國新聞社