恋愛リアリティーショー「バチェラー」出演、最後の1人に選ばれ…蒼川愛さん、誹謗中傷・摂食障害・“シングルマザー”告白 「自分が嫌い…」出産・息子の難病を乗り越え、訪れた変化とは

恋愛リアリティーショー「バチェラー・ジャパン」シーズン1に参加し、見事最後の一人に選ばれた蒼川愛さん。
現在、インフルエンサーとして第一線で活躍を続ける蒼川さんですが、実は過去には摂食障害に誹謗中傷などで悩んだ経験がありました。
現在、シングルマザーとして奮闘する蒼川さんの波乱万丈な"生き方"に迫ります。

「とにかく自分が嫌いで、人を羨み、相手が求める"蒼川愛"を演じてきた子どもでした」

去年10月に発売された一冊の本「蒼川愛という生き方。」
ある1人の女性の生き様が赤裸々に描かれています。

島根県松江市出身の蒼川愛さん、29歳。
普段は都内を拠点に、SNSを通じて美容やファッションの情報発信を行うインフルエンサーとして活動しています。

現在は、4歳の息子を育てるシングルマザーでもある蒼川さん。
彼女を一躍有名にしたのが、動画配信サービス・アマゾンプライムビデオで配信されている「バチェラー・ジャパン」です。

1人の独身男性「バチェラー」が複数の女性参加者らとデートを重ねながら「真実の愛」を見つけ出す恋愛リアリティーショーで、蒼川さんは早稲田大学在学中に知人の紹介で受けたオーディションに合格し、7年前に配信がスタートしたシーズン1に参加。
見事"最後の1人"にまで選ばれました。

蒼川愛さん
「日本全国、北から南、海外とか色んな所に行きました。過酷と言えば過酷だったのかもしれないですけど、結構楽しんでいましたね。
人前に出ることが正直得意ではなかったので、こういうものに参加したら自分自身を表現したり、1歩踏み出すきっかけになるのかなという期待はありました」

今でこそ表舞台で活躍する蒼川さんですが、元々は内向的な性格だったといいます。

蒼川愛さん
「どうしても周りと比較して落ち込んでしまうということが、昔からよくありました。
中3からダイエットを始めて、高校1年生の夏には入院するほど体重が落ちてしまって。その時には"拒食症"という病名がついて病院にも通っていました」

外見のコンプレックスから過度なダイエットをしてしまい、中学生の時に摂食障害に。
体重は一時55キロから38キロまで落ち、入院を余儀なくされることもありました。

そんな"自分嫌い"だった蒼川さん、「バチェラー」に参加したことで自己表現ができるようになったといいますが、今度は良くも悪くも浴びる注目の視線が彼女を苦しめました。

蒼川愛さん
「SNSのフォロワーさんが少しずつ増えていって、ありがたい反響もありながら、アンチコメントも結構目立つようになって。
心無い言葉って結構つき刺さるものがあって、そういうのを見てメンタルがやられていました。」

「可愛くない」
「ブス」「デブ」

浴びせられる誹謗中傷の数々。
"自分嫌い"の彼女の心をズタズタにしました。

蒼川愛さん
「誹謗中傷で亡くなった方がいたじゃないですか。あれを機に誹謗中傷に対する規制だったりとか、開示請求とかを皆するようになったんですけど、私が誹謗中傷をされたのはちょうどそのちょっと前だったんですよ。だから"受ける"しかなくて…開示請求とか、戦う術を知らなかった」

それでもインフルエンサーとして活動を続ける道を選び、SNSの投稿を続けていましたが、2021年12月。

「突然ですが、この場を借りてご報告させてください。実は一昨年出産し、今年2歳を迎えた息子がいます」

SNSで、突然の告白。

蒼川愛さん
「後ろめたさはなかったんですけど、隠していたっていうことに対して、何かマイナスなことを言われるんじゃないかなって心配はありました。
公表した後、受け入れてもらえるのかなっていう不安もありましたね」

大学卒業後に出会った男性との間にできた子どもでしたが、価値観の相違からシングルマザーとしての道を歩んでいました。

蒼川愛さん
「妊娠がわかってびっくりしました、でも嬉しかったです。パートナーとかの関係はあったが、今後どうしようかみたいな。でも子どもは私が育てなきゃって。」

隠された2年間。
その裏では大きな試練も経験していました。

蒼川愛さん
「ずっと子どもが体調が悪そうだなという期間があって…薬の服用も合わせて1年半くらいかな。
その間は生きた心地がしなかったくらい不安で心配な日々でした」

息子が1歳の時、骨髄で赤血球が作られなくなる「赤芽球ろう」という国指定の難病であることが判明したのです。
今では回復したといいますが、コロナ禍での入院生活など、治療に向き合った日々は生きた心地がしなかったといいます。

ただ、こうした経験は、"自分嫌い"な蒼川さんに大きな変化をもたらしました。

蒼川愛さん
「子どもが生まれてからは、自分にかまっている時間が無くなったというか。『自分嫌い』『自分が自分が…』とかいっている暇がなくなった。
自分のことをまず認めてあげないと、子どもにも優しくできないって気づいて、そこからは自分を肯定できるようになりましたね」

幼い時から抱いていた劣等感。
「バチェラー」に参加したことで浴びせられた誹謗中傷。
そして、自ら選んだシングルマザーの道。
様々な試練を乗り越え、インフルエンサーとして輝く蒼川さんに、こんな質問をしてみました。

今の自分は好きですか?

蒼川愛さん
「はい、好きです!
人間としてもそうだし、母親としてもまだまだ足りない部分はたくさんあるんですけど、でも根本的には今の自分が好き。自分のことも、大事にしていきたいなって、そう思います」

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