連休後半、出足緩やか 県内観光地、宿泊施設入り込みピーク

4連休が始まり、観光客や帰省客が目立った北陸新幹線の改札口=加賀温泉駅

 

  ●「応援割」期間外が影響

 ゴールデンウイーク(GW)後半の4連休が始まった3日、石川県内は観光客や帰省客の入り込みがピークを迎えた。東京方面からの北陸新幹線は26本で指定席が満席となり、金沢駅は終日、人波で混雑した。一方、国の観光支援策「北陸応援割」の期間外であることが影響してか、観光地や宿泊施設の客足は大幅には伸びず、緩やかな出足となった。Uターンのピークは5日の見込み。

  ●兼六園、昨年比5000人減

 北陸新幹線県内全線開業から初の4連休を迎えた加賀温泉駅では、キャリーバッグを引いた観光客や帰省した家族の姿が目立った。東京から加賀市に帰省した野本合子さん(47)は「乗り換えを気にしなくてよくなり、便利になった」と新幹線開業を喜んだ。

 JR西日本金沢支社によると、3日の北陸新幹線で自由席乗車率が100%を超えたのは、午後4時現在で下りの4本だった。大阪・京都から北陸に到着する特急「サンダーバード」は10本、名古屋・米原からの「しらさぎ」は2本で指定席が満席となった。

 入り込みはピークを迎えたものの、観光施設では普段の週末と人出がほぼ変わらない光景が目立った。

 県金沢城・兼六園管理事務所によると、3日午後6時までの兼六園の入園者数は1万1381人で、5連休初日だった昨年5月3日を5千人ほど下回った。

  ●「やや肩透かし」

 小松駅の改札口近くにある飲食店「小松カブーレ」によると、3日の売り上げはGW前の土日に比べてやや多い程度。担当者は「混雑を見込んで万全の態勢をとっていたが、やや肩透かしだ」と話した。

 ホテルや旅館からは、北陸応援割の影響を指摘する声が上がった。

 宿泊代金が最大50%割り引きとなる北陸応援割は、第1弾が4月26日に終了。第2弾は連休明けの7日から始まるため、GWはちょうど適用外となる。金沢市のANAホリデイ・イン金沢スカイの担当者は、3日はほぼ満室となったものの、4、5日は7~8割の予約で「例年に比べやや少ないと感じる」と話した。

 加賀市山代温泉の旅館「たちばな四季亭」の和田守弘社長は、予約がコロナ禍前の水準に戻ったとし、「北陸三県からの予約が多かった応援割の期間とは異なり、全国からの宿泊が増えてきた」と手応えを語った。

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