『アンチヒーロー』濃厚VIVANT感で沸騰し始めたX考察 「登場人物名の共通点・堀田真由の正体・主人公の目的」

※画像はTBS日曜劇場『アンチヒーロー』 公式X(旧ツイッター)『@antihero_tbs』より

5月5日、長谷川博己(47)主演のTBS日曜劇場『アンチヒーロー』(毎週日曜日夜9時~)の第4話が放送される。第3話(4月28日放送)まで謎が多いまま進んできたシナリオの「真実が動き出す」と予告されていて、注目が集まっている。

『アンチヒーロー』は長谷川演じる明墨正樹(あきずみ・まさき)ら弁護士チームが、有罪率99.9%と言われる日本の刑事裁判において、被疑者の無罪を勝ち取る物語。目的が見えない主人公の行動、さらに登場する出演者や携わるスタッフなどから、“考察ドラマ”としても沸騰し始めている作品である。第3話の視聴率は世帯10.4%で、初回から世帯2桁をキープしている(関東地区/ビデオリサーチ調べ)。

「『アンチヒーロー』は、現在テレビ界が最重要視する13~49歳までのコア視聴率も第2話で4.8%という高視聴率を記録するなど、4月クールの連ドラでは断トツトップの高数字を残していますね。

本作は堺雅人さん(50)主演で社会現象を巻き起こした、23年7月期の日曜劇場『VIVANT』の飯田和孝プロデューサーが企画したオリジナル作品。放送直前まで物語の詳細を伏せる手法が『VIVANT』を感じさせることに加えて、出演者も『VIVANT』キャストが多く出演しています」(テレビ誌編集者=以下同)

5月4日時点で公式サイトに掲載されている、『VIVANT』に出演歴がある『アンチヒーロー』の出演者は以下の通り。

《林泰文(52)、安藤彰則(55)、井上肇(63)、内村遥(38)、河内大和(45)、迫田孝也(47)、須田邦裕(45)、砂田桃子(35)、高木勝也(37)、谷田歩(48)、珠城りょう(35)、馬場徹(35)、和田聰宏(47)、渡辺邦斗(40)》

彼らの出演情報が発表された際は「『VIVANT』のメンバーが再集結」という宣伝文句も使われていた。3話時点で役名が発表されていないキャストも多く、彼らがどのような形で物語に携わるのか注目を集めている。

「そういった『VIVANT』感の影響もあり考察は盛り上がってきています。まず言われているのが、登場人物の名前の共通点。それに関連した、ゲストキャラの再登場や立ち位置に関する考察です」

■主要人物にある共通点

『アンチヒーロー』の主要人物は、主人公の明“墨”を筆頭に、色の名前が入っているキャラクターが多い。ドラマ公式サイトには人物相関図があるが、

「明墨法律事務所」では明峰柊斗(北村匠海/26)、木凛(大島優子/35)、ノ宮飛鳥(堀田真由/26)、山憲治(林泰文)。

「東京地方検察庁」には検察官・川歩佳(木村佳乃/48)。

そして、他のメインキャストとして、第1・2話で殺人事件の被告人だった山啓太(岩田剛典/35)――以上7名に、色の名前が入っている。

加えて、本作のテーマカラーは至極色(濃い紫)だが、明墨法律事務所の5人の色を合わせると至極色になることを公式に明らかにしている。北村が4月16日に行なわれたイベント『第2話最速試写会・スペシャル舞台あいさつ』で名前に色が入っていることを「戦隊ものです」とコメントしたことで、“戦隊=正義の味方”という発想からXでは考察が沸騰中。

《(検事だけど)緑川さんは弁護士チームの味方になる?》
《主要キャラの姓には色に関わる文字が入っている。一方で単発のゲストキャラには入っていない。と言うことは「緋山」はゲストキャラではなく、今後も出番がある》

といった声が多く寄せられている。

なお、主人公の宿敵になるであろう検事正・伊達原泰輔(野村萬斎/58)の名前には、色が入っていない。

「一方で、堀田真由さん演じる若き弁護士・紫ノ宮が味方なのか疑う声も多いですね。

明墨を尊敬していて彼の非倫理的なやり口にも文句を言わないのに、明墨のデスクを探っていたこと。父親が警察官――検察に近い立場の職業であること。そして、伊達原検事正と会話している、彼女とも思えそうな謎の女性が登場していること。これらの要素から“紫ノ宮が検察のスパイ説”を唱える人もいます。

ただ、この怪しさでそのまま検察側のスパイならあまりにも普通。“名前に色が入っているから、二重スパイで味方だろう”とする声もあり、今後に注目ですね」

■明墨の最大の目的は――

色に関しては、視聴者の声からも分かるように、岩田剛典演じる1・2話の被疑者・緋山にも注目されている。また番組の人物相関図で、レギュラー出演者と同等の枠に配置されていることも、実に意味深だ。

「第2話のラストは、一見すると“緋山は無罪になったが本当は殺人犯だった”というオチに見えます。しかし、実は2話の終了時点で確定していることは、緋山は無罪確定後、返り血を浴びたと思われる衣服を捨てた、だけ。殺人犯だった証拠はありません。

加えて、第1・2話の事件は緋山が本当に無実という前提で、事件関係者のひとり・佐藤涼(前原瑞樹/31)を疑う声も多い。事件は凶器に付着した指紋が争点になっていましたが、佐藤には“事件現場の家に入ってボールに触ったこともあるのに、指紋が出てこなかった”という不自然な描写がありました。緋山は色の法則と公式HP人物相関図から再登場説が強いし、そこで真相が明らかになるのかもしれませんね」

そして、主人公・明墨が裁判に求めているものも、第3話で少しずつ見えてきている――という声は多い。

「2話時点では普通に、“依頼者である被告人を無罪にする”ことが彼の目的に見えなくもなかったですが、第3話で明墨は依頼人が有力政治家の息子だったことを利用し、被告人が有罪になる――弁護する自らが負けるのは承知で“権力者が証拠を握りつぶす”という不正を白日の下にさらしています。

明墨自身は世間に叩かれないよう、“被告人の父が勝手にやったことで自分は知らなかった”ということにして逃げ切りましたが」

第1・2話で明墨は、検察側が都合の良いストーリーになるように証人の証言を捻じ曲げたり、法医学教授と結託してDNA鑑定の証拠を捏造したことを追及し、裁判を動かした。第3話と共通して言えるのは、“裁判は決して公正とは言えない”という事実を世間に知らしめたことだ。

そして、本作では第1話から監獄の中にいる謎の男・志水(緒形直人/56)の姿が意味深に描写されていること、明墨が元検事の“ヤメ検弁護士”であることから、

《裁判での勝ちではなく、証拠の隠滅や捏造が行われていることを世の中に報道してもらうことが目的なのか》
《明墨の目的は判決とは別に、証拠隠滅など今や当たり前に行われてる裁判の闇を表沙汰にすることだと思う》
《志水は検事時代に起訴して有罪にした?しかし実は冤罪だったと分かり弁護士になり再審請求しようとしてるのかと考察》

といった考察がXに寄せられている。

「『VIVANT』は、第1章とも言える『誤送金編』が第4話で完結し、同話で主人公の正体や真犯人など、多くの謎が明らかになる構成でした。同じプロデューサーによる『アンチヒーロー』も、第4話で大きく話が動くと考えられる。1~3話までの伏線が回収され、ようやくドラマの全体像が見える。そしてさらに、また新たな謎が出てきて――という展開が第4話であるのかもしれません」

今後、『VIVANT』級の盛り上がりを見せるのか――5月5日、子どもの日に放送される『アンチヒーロー』の第4話に注目が集まる。

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