「俺は日本でIWGPを防衛したと言えるんだ」モクスリーが成田蓮を撃破! 次期挑戦者は海野翔太!! 5.11オンタリオ大会で激突

新日本プロレスは毎年恒例のゴールデンウィークのビッグマッチ『レスリングどんたく2024』福岡・福岡国際センター2連戦の最終戦、5.4福岡大会を開催した。メインイベントでは、IWGP世界ヘビー級選手権試合、チャンピオンのジョン・モクスリーに成田蓮が挑戦。モクスリーは4.12アメリカ・シカゴ大会で、内藤哲也を破り同王座を初戴冠し、プロレス界の世界三大メジャー団体であるWWE、AEW、新日本の三団体で最高峰のタイトルを戴冠する快挙を成し遂げ、シカゴ大会では弟子の海野翔太を次期挑戦者に指名するも、成田に急襲されたことを受けて、先に成田の挑戦を受けると表明した。

しかし、モクスリーはAEWの大会である4.24『AEW DYNAMITE』で対戦が決まっていたパワーハウス・ホブスとの試合をタイトル戦にすると突然発表。新日本もこれを認めたことから、「IWGPの価値」に対する意見が、成田だけではなく、辻陽太ら新日本の選手たちからも次々と飛び出していた。結果、ホブスとの激戦をモクスリーが制したから良かったものの、王座移動劇が起こっていたら大変なことになっていただろう。

試合は、このうっ憤を晴らすかのように、モクスリーの背後からSHOと金丸義信のH.O.T勢が襲撃。海野が救出に入るが、手錠で捕獲するとSHOがイス攻撃でKO。モクスリーは臆することなく3人を相手にハードコアファイトでやり合う中、ダメージが深い海野をヤングライオンがバックステージに連れて行く。

モクスリーと成田の両者が場内をフルに使った闘いを繰り広げる中、モクスリーは成田をテーブルクラッシュで叩きつけるなど、優位に進めて行くが、SHOと金丸の介入は止まらず。これに我慢ができなかったのが、成田に裏切られた実況席にいたエル・デスペラードだ。デスペラードはテーブルの破片を手にリングインすると、金丸を蹴散らしSHOの脳天に叩きつけ、二人をバックステージへ連行する。

これで邪魔者はいなくなったと思われたが、スリーパー、コブラツイスト、ジャーマン、ブリザードスープレックスという柴田勝頼やストロングスタイルで学んだ技を披露するなど、H.O.T入りする前のスタイルも含めて成田がぶつけるも、モクスリーがブルドッグチョークで捕獲したところ場内が暗転。嫌な予感しかしない中、照明が復活するとリング上にはEVILとディック東郷が仁王立ち。まだこの二人が残っていたのだ。

二人はモクスリーにマジックキラーを決めると、東郷がスポイラーズチョーカーで首を締めあげる。EVILも椅子攻撃をして、場内が諦めムードになりかけたその時、海野が花道からダッシュして復活。デスペラードがバックステージにあったチェーンカッターを使って手錠の鎖を切ったという。海野がEVILと東郷を排除すると、H.O.Tという駒を使い果たした成田に、モクスリーはDDTから超高角度デスライダーを決めてカウント3。モクスリーが2度目の防衛に成功し、5.11アメリカ、オンタリオ大会で海野の挑戦を受けることが決まった。 バックステージでモクスリーは「俺は日本でIWGPを防衛したと言えるんだ」と興奮気味に話していたが、AEWで防衛戦を行なったことで批判が起こっていたのはわかっていた様子。と同時に「IWGP」というブランドは、あのハルク・ホーガンが最初に巻いている(ホーガンが巻いた時はタイトル化されていなかったが)とあって、世界中のレスラーが「一度は巻いてみたい」タイトルのひとつとなっている。
モクスリーは新日本初参戦時「日本のプロレスに慣れたい」と『G1クライマックス』参戦を直訴したというほどの努力家で、ジャパニーズスタイルへのリスペクトも高い選手。この日は「ノアのやつらも気をつけておけよ」とプロレスリング・ノアまで視野に入れてコメントをしていた。成田に続いて海野と4月に内藤に挑戦した辻から新世代の挑戦が続いているが、モクスリーは国籍や団体の壁を超えて世界一のチャンピオンとしての旅を続けていく。

◆新日本プロレス◆
『レスリングどんたく2024』
2024年5月4日
福岡・福岡国際センター
観衆 4238人(満員)
▼IWGP世界ヘビー級選手権試合(60分1本勝負)
<王者>○ジョン・モクスリー(25分18秒 片エビ固め)成田蓮●<挑戦者>
※高角度デスライダー
※第9代王者が2度目の防衛に成功。

文⚫︎どら増田

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