豪華提灯山、城端練る 南砺で曳山祭本祭

幻想的に浮かび上がった提灯山=5日午後7時50分、南砺市城端

  ●GW終盤、県内各地にぎわい

 ゴールデンウイーク(GW)終盤の5日、富山県内は好天に恵まれ、各地のイベントや祭りは行楽客でにぎわった。南砺市城端地域では、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産で、国の重要無形民俗文化財「城端曳山祭(ひきやままつり)」の本祭が行われ、6町の絢爛(けんらん)豪華な曳山と優雅な庵屋台がまちを練った。夜には提灯(ちょうちん)が飾られ、三味線と篠(しの)笛の音色と男衆の粋な庵唄が「小京都」と呼ばれる歴史と文化のまちを包んだ。

 城端神明宮の春季大祭で、午前9時に御旅所(おたびしょ)の市城端伝統芸能会館じょうはな座を3基の神輿が出発。悪霊を鎮め、邪鬼を払う獅子舞と剣鉾(けんぼこ)や傘鉾(かさぼこ)が先導した。6町の曳山と庵屋台は城端別院善徳寺前に集合し、同10時に神輿の後を追うように街を巡行した。

 一番山(当番町)を務める西上町から東下町、出丸町、西下町、東上町、大工町の順に細い路地を縫うように練り歩いた。車輪が「ギュウギュウ」ときしませながら進む様子や曲がり角では、男衆による豪快な辻回しが観客を沸かせた。

 午後7時から提灯山となり、曳山と庵屋台を幻想的に浮かび上がらせた。

 祝儀を渡して庵唄を家族や団体で聴く「庵唄所望(しょもう)」は36カ所に設けられた。各町の男衆が、男女の恋心を表現した庵唄を響かせ、城端の夜を彩った。

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