本県移住相談45.4%増 都内窓口で過去最多1737件 「ポテンシャル高い」

 都内にある栃木県の移住相談窓口「とちぎ暮らし・しごと支援センター」に寄せられた2023年度の相談件数は前年度比45.4%増の1737件に上り、過去最多を更新したことが5日までに、分かった。同センターによると、新型コロナウイルス禍を機に本県を含む東京近郊への移住相談が増えていることに加え、県がインターネット上のアルゴリズム(計算手法)を利用して移住検討者向けにデジタル広告を出した結果とみられる。22年度の1195件に続き、2年連続で千件を超えた。

 同センターは、地方移住を支援するNPO法人「ふるさと回帰支援センター」(東京・有楽町)内の本県窓口。15年6月に「とちぎ暮らしサポートセンター」として開設され、16年7月に現在の名称となった。

 23年度の相談件数は窓口での対面・オンライン、電話、メール、ふるさと回帰支援センターでのセミナー参加者を積み上げた。県の移住紹介サイト「ベリーマッチとちぎ」からの問い合わせや資料請求も含む。セミナー参加者による相談が最も多く623件、次いでメール391件、対面263件と続いた。

 とちぎ暮らし・しごと支援センターによると、東京近郊への移住先としては本県を含む北関東や静岡、山梨、神奈川の各県が人気という。最近は物価高騰を理由に、地方への移住を希望するケースも見られる。

 同センターの生田公二(いくたこうじ)移住・交流相談員(41)は「本県は交通の利便性や自然環境の良さ、仕事の見つかりやすさ、災害の少なさなど、さまざまな条件が満たされて選ばれており、ポテンシャルは高い」と分析している。

 相談件数は15年度が337件となり、16~19年度は400件台で推移した。20年度に初めて500件を超え、21年度は707件に達し増え続けている。

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