第150回北信越高校野球県大会(北國新聞社後援)は6日、県立野球場で決勝が行われ、星稜が航空石川に3―0で勝ち、3季連続45回目の優勝を果たした。春季大会は昨年に続く栄冠となる。星稜は6月1日に富山市で開幕する北信越大会に出場する。
●萩原2打点、道本7回無失点
星稜は初回、1死三塁から3番・萩原獅士の適時打で先制。五回にも萩原が左中間を破る適時二塁打を放った。七回は専徒大和が二塁打でチャンスをつくり、芦硲晃太の右中間を破る三塁打でリードを広げた。
先発の道本想は7回を被安打2、無失点の好投で、代わった佐宗翼が残る2イニングをゼロに抑えた。
航空石川は散発の4安打にとどまり、7回3失点と粘った先発の長井孝誠を援護できなかった。七回には左翼への大きな当たりをレフト砂川永真が見事なダイビングキャッチでアウトにし、会場が沸いた。
●北信越、甲子園へ「レベルアップを」 萩原
星稜の萩原は先制と2点目の適時打を放ち、2打点の活躍で優勝に貢献した。木製バットを使用して快音を連発した萩原は「先制点が欲しいところで1本出て良かった。2点目も甘い球をしっかりと仕留められた」とチームを勢いづけた打席を振り返った。
今大会、チームはチャンスで得点に結び付けることができず、初戦から苦しい展開の試合が続いた。萩原は「今のままでは勝てなくなる」と危機感を抱き、チームバッティングの大切さを痛感した様子。北信越大会、そして夏の甲子園に向けて「しっかりと切り替えて、レベルアップしていきたい」と意気込んだ。
●先発長井、粘りの投球 航空石川善戦「成長できた」
航空石川は先発の長井が強敵相手に善戦した。初回に失点しながらも立て直し、7回を3失点にまとめ「苦しい場面でも粘り強く投げられた。先発を任せてもらい、成長できた大会だった」と手応えを得た様子だった。
チームは能登半島地震を受け4月から東京に拠点を移したが、今大会に合わせて輪島に戻った。久々に慣れた環境で練習し、災害支援隊員らから「夏も戻って来いよ」と励まされたという。
今後は東京に戻って夏に向けた猛練習を積む。長井は「自分たちは航空『石川』なんで。石川県で優勝してまた甲子園に戻る」と誓った。