「今までありがとう」思い出の店舗、客足途切れず イトーヨーカドー福島店閉店

最終日に多くの買い物客でにぎわうイトーヨーカドー福島店=6日午後4時ごろ

 6日に閉店し39年の歴史に幕を下ろしたイトーヨーカドー福島店では最終日となった同日、大勢の客が「最後の思い出に」と買い物を楽しんだ。客足は途切れることなく、店内は終日にぎわった。

 車が次々と行き交い店舗周辺が渋滞するなど混雑する様子がみられ、午後には駐車場がほぼ満車の状態となった。

 店内では生鮮食品や酒類、日用品の棚から順次、商品がなくなった。2階の一角には福島店との思い出を買い物客から募ったメッセージカードが数多く掲示された。イトーヨーカドーのロゴがプリントされた6センチ四方の用紙には「大学生時代に帰省した際、福島駅からヨーカドーが見えると安心した」「亡き祖父母とよく買い物に来ました」「ポッポのラーメン、ポテトがおいしかったです」などと利用客の言葉がつづられ、多くの人が見入っていた。

 全ての営業が終わった午後7時ごろ、JR福島駅西口駅前の出入り口では福島店から「感謝」「39年間ありがとうございました」との文字が入ったうちわが配られ、買い物客が手を伸ばした。

 吉田博之店長は閉店セレモニーで「皆さまと一緒に成長させてもらった。イトーヨーカドー福島店と、最後まで頑張った従業員がいたことを記憶にとどめてほしい」とあいさつ。従業員と共に店内へ戻りシャッターが閉じられると、閉店を惜しむ客がカメラを向けながら「今までありがとう」と声を上げていた。

(県北版)

最終日を迎え、シャッターを閉じるイトーヨーカドー福島店=6日午後7時20分ごろ

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