バルサ、ラ・リーガで2位を逃すと“2つ”の経済的打撃が発生…RFEFへの影響も?

バルセロナは4日に行われたラ・リーガ第34節でジローナに2-4で敗れ、3位に転落した。スペインメディア『RELEVO』は、バルセロナが今季のラ・リーガを2位で終えられなかった場合のデメリットを紹介している。

試合は立ち上がりの3分にデンマーク代表DFアンドレアス・クリステンセンが見事なボレーシュートを叩き込み、バルセロナが先手を取ったものの、直後に右サイドを崩されてウクライナ代表FWアルテム・ドフビクにヘディングシュートを決められる。前半終了間際にはポーランド代表FWロベルト・レヴァンドフスキのPKで再び勝ち越したものの、後半の半ばから終盤にかけて3失点を喫し、2-4で敗れた。

この結果、2位と3位の直接対決を落としたバルセロナは、ジローナに抜かれる形で3位へ転落。両者の勝ち点差は「1」とわずかなものだが、残る4試合での2位争いにも注目が集まっている。

このような状況のなか、『RELEVO』はバルセロナが受けることとなる2つのデメリットに言及。1つ目は来年開催されるスーペルコパ・デ・エスパーニャの出場権を失うことだ。2019-20シーズン以降、ラ・リーガの優勝、2位チーム、さらにコパ・デル・レイ(スペイン国王杯)の優勝、準優勝チームの4チームによって争われる形式となったスーペルコパ・デ・エスパーニャは、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮された2020-21シーズンを除いて、サウジアラビアで開催されている。この大会では、全体の参加賞金から、歴代のタイトル獲得数、試合の視聴者数、放映権収入などの要素を踏まえ、4クラブの分配比率を決定する。そのため、これまでバルセロナはレアル・マドリードと並んで多くの“臨時収入”を得られていた。加えて、今季のケースであれば同大会の決勝進出で100万ユーロ(約1億7000万円)、優勝で200万ユーロ(約3億4000万円)のボーナスが獲得可能。出場権を失うことで、当たり前ではあるがこれらの賞金が得られなくなる。

2つ目のデメリットも同じく経済面。現在、ラ・リーガでは均等に配分される金額(昨季の場合は3560万ユーロ/約59億円)に加え、順位に応じてボーナスの放映権料が分配される。例えば、昨季の金額で2位の場合だと、均等配分額の3560万ユーロに加えて、ボーナスで約5300万ユーロ(約88億円)を手にできた。だが、3位の場合はこのボーナス金額が4600万ユーロ(約76億円)に減少。インフレ傾向のあるサッカー界において、差額はわずかな金額といえるかもしれないが、現在の財政状況が芳しくないバルセロナにとっては痛手だ。収入が減ることで、夏の移籍市場における補強計画にも多少は影響を与えるかもしれない。

このようなデメリットを考えると、今季のラ・リーガを2位で終えることは重要な意味を持つ。ここからは日本代表MF久保建英が所属するレアル・ソシエダ、アルメリア、ラージョ・バジェカーノ、セビージャとの試合が続くが、4連勝を飾った上で、ジローナの結果を待ちたいところだ。

なお、バルセロナが2位で終わることで、経済的な打撃を受けるのはクラブだけではないようだ。スーペルコパ・デ・エスパーニャを主催するスペインサッカー連盟(RFEF)も、痛い目にあうという。現在、大会主催者のRFEFは、スーペルコパ・デ・エスパーニャの開催地であるサウジアラビアのサッカー連盟から、4000万ユーロ(約66億円)の収入を得ている。だが、レアル・マドリードまたはバルセロナが大会の出場権を逃した場合、その金額から500万ユーロ(約8億3000万円)が差し引かれる模様。RFEFはクラブのような収入源を持っていないことから、この損失は非常に大きなものだろう。

【ハイライト動画】バルセロナはジローナとの“直接対決”で敗北

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