理想的な交通社会へ貢献 LRT運行3者を表彰 23年度、国際交通安全学会

贈呈式で賞状や盾を手にする3者の関係者

 【宇都宮・芳賀】次世代型路面電車(LRT)の運行に携わる市と町、宇都宮ライトレールの3者はこのほど、国際交通安全学会の2023年度学会賞を受賞した。3者によるLRT事業が、理想的な交通社会の実現に貢献したとして評価された。

 同学会は1974年、ホンダ創業者の本田宗一郎(ほんだそういちろう)、藤澤武夫(ふじさわたけお)の基金をもとに設立された。交通事故などの問題解決を探求し、理想的な交通社会の実現への寄与を活動目的としている。

 3者は業績、著作、論文の三つの部門のうち、業績部門で受賞し、17件の候補から選ばれた。LRT関連での受賞は、熊本市と富山市に続く3都市目となる。

 同学会は選考理由として、LRT事業を「新たな公共交通のかたちを実現した」などと位置づけ、人口減少が進む地方都市で「広く活用できる先行事例となった」と評価した。

 また、野高谷交差点など主要道路とLRT軌道の交差部分を立体化した点や、自動車の右折事故の低減を目的に導入した信号システムが、道路を往来する乗用車や歩行者に対する安全確保策として価値づけられた。

 佐藤栄一(さとうえいいち)市長は「多くの皆さまとつくり上げてきた取り組みが評価され、大変うれしい」などとコメントした。

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